【山行記録】 白銀の新雪を求めて 乗鞍高原スノーハイク 〔2011.01.08〕
2009年末、スノーフィールドへ踏み出す第一歩として購入したスノーシュー。
昨シーズンは北八ヶ岳を中心に縦横無尽に駆け回ったものの、今シーズンになってからはアイゼンとピッケルを用いたストイックな山行が多かったためほとんど出番が無く、部屋の隅で寂しく眠りについていた。
そんな不遇な扱いを受けていたスノーシューも、ようやく日の目を見るときがやってきた。
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・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




思い起こせば一昨年末。
当時はハードな雪山をやるなんて思ってもいなかった僕らが、純粋にスノーハイクを楽しむために購入したスノーシュー。
縞枯山を皮切りに、茶臼山、北横岳、車山、白駒池スノーキャンプ、そして北八ヶ岳縦走
言ってみれば、昨シーズンの雪山は即ちスノーシューによるスノーハイクが主だった。
しかし残雪期にアイゼンを購入したのをきっかけに、今シーズンはアイゼンによる登山が全てを占め、スノーシューは出番を失っていた。

だが2011年最初の連休の初日となる1月8日。
僕らは今年初めてスノーシューで雪を踏みしめるため、乗鞍高原へと足を運んでいた。


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快晴の青空の下、最高のスノーハイク日和。(撮影地点1にて撮影)
今回は乗鞍高原でスノーハイクを楽しんだ後、高山へ抜けて温泉でのんびり1泊くつろぐスケジュールになっていた。

登山を始めて以降、どうしても遠出といえば山に限定されてしまい、いわゆる普通の旅行とは非常に縁遠くなってしまっていた。
無論それはそれでとても楽しかったのだけど、やはりたまにはのんびり温泉につかって美味しい料理を食べる、そんな普通の旅行もしたいよね、なんて話を嫁としていたところだったのである。
てなわけで、今回はゆっくりのんびり温泉につかってくつろぐ方がメイン。
しかしそこにスノーハイクをくっつけてしまうあたり、僕らしいっちゃ僕らしいのではあるが…


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休暇村の駐車場に車を停め、駐車場脇からハイクアップ。
久々に日の光を浴びたスノーシューも心なしか嬉しそうだ。


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まずはすぐそばにある牛留池へ。(撮影地点2にて撮影)
池なのだから、元来水がたまっている場所なのだろうが、この時期は凍結して雪の下だ。全くトレースのないまっさらな新雪である。


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まぁもちろんこうなるww
こんな最高の場所、歩かなきゃ嘘でしょう。


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真ん中まで歩いてみると古いトレース跡とおぼしき形跡がいくつか見てとれた。
昨年の白駒池を思い出す。
あの時は先行者のトレースがひとつだけあって、それがあったおかげで池の上を渡る決断を下せたんだったっけな…
あ、ちなみに池の渡渉は自己責任でお願いします。凍結状態によっては万が一にも水没する可能性は否定できませんので…



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牛留池を後にし、善五郎の滝へと歩を進める。(撮影地点付近3にて撮影)
このあたりは歩いている人も多いらしく、トレースが非常に明瞭。
新雪を求めて、主トレースから外れた紛らわしいトレースがあったりするが、最終的には主トレースに合流する。
主トレースさえ見逃さなければ多少好きなように白樺の林の中を散策するのも楽しいだろう。


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真っ白な雪のキャンバスにクマ1号作成。


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乗鞍のなんとも美しい事か…
こんな最高の天気ならあっち登りたかったな…などという気は一切起きない。
今日はスノーハイク、雪を楽しみに来ているのだ。久しぶりのスノーシューは予想以上に楽しい。
だから今日に限ってはピッケル、アイゼンはお呼びではない。

先日まで赤岳やら仙丈ヶ岳やらに登っていた人間が何を贅沢な事言ってんだという話ではあるがww



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さて、善五郎の滝を目前に、スノーシューコースにあってはならないものが現れた…


階段である


スノーシューは浮力を得るため、非常に長い形状をしている。
もちろんスキーほどではないにせよ、基本的に取り回しが決して良い道具ではない。
特に階段のような場所はいわば天敵であり、普通に降りようとしたら確実にそのまま前に倒れて大怪我するのは確実である。


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だからこうやって降りるしかない…
一歩一歩慎重に、階段を踏み外さないように、スノーシューを引っ掛けないように…。
スノーシューで善五郎の滝まで来る方、この場所だけは本当に要注意。


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善五郎の滝到着。(撮影地点4にて撮影)
ともすればアイスクライミングでもできるんじゃないかと思えるほど見事に凍結している。
まぁ今日はクォークもサルケンも持ってないから遊べない。


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と、言っても、アイスクライミング経験の無い僕が下手に氷を弄繰り回すとでっかいのが頭に刺さりそうなのでやめて正解だろうww
とてもじゃないが、こんなモン頭に刺さったらただじゃ済まない。


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善五郎の滝を抜けて少し進んだところに展望所がある。(撮影地点5にて撮影)
乗鞍岳の展望は先程の撮影場所の方が断然良いが、善五郎の滝と乗鞍という稀有なシチュエーションはもちろんここでしか撮れない。


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善五郎の滝から鈴蘭方面へのトレースは先程よりやや薄くなる。
このあたりは白樺林がなだらかに広がっているので、皆思い思いの場所を好きなように歩いているのだろう、細かいトレースが幾つもある
主トレースを見失わないようにしつつ、トレースの無い新雪を踏みしめながら軽快に歩いていく。
やはり新雪の上を歩いてこそのスノーシュー。

鈴蘭から一旦林道を歩き、その後再びハイキングコースに戻るのだが、この辺りは少々わかりづらい。
道が良くわからなかった場合、闇雲に不明瞭な道を歩くくらいならばいっそ引き返した方が無難かもしれない。
鈴蘭からはオルガン橋という橋をわたり、白樺の小径と呼ばれる白樺林の中を歩いていく。
この辺りは非常に気持ちがいいルートなのだが、ともかくトレースが薄い。(撮影地点6付近にて撮影)
先程の善五郎の滝付近に比べて、こちらを歩く人はあまり多くないのだろう。
基本的に一定間隔で道標は立っているが、その間に赤テープなどルートを示唆してくれる物は一切無い。
万が一トレースが無く、読図に自信がないようなら引き返すか、もしくは林道を歩いた方が無難。


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林のど真ん中にクマ2号作成。



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一の瀬到着。(撮影地点7にて撮影)
奥に見えている建物はネイチャープラザ一の瀬という建物かな?確認するのを忘れた。


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乗鞍串刺し。



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このあたりは夏には駐車場になっているのだろうか?
ともかくだだっ広い雪原がただただむやみやたらに広がっている。
それはもう、歩くなり、走るなり、雪にダイブするなり、何でも好きにしてくれと言わんばかりに最高に気持ちいい雪原だ。


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と、なれば、コレ、やっておかないとダメでしょうww
もう最っ高!フッカフカで最高に気持ちいい雪、泳ぎたくなっちゃうww

この後、冒頭の一枚目の画像に続く。


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雪も最高なら天気も最高だ!
ここ、一の瀬から見上げる乗鞍岳はホント格段に美しい。

この雪原から一段上がった場所に休憩所のような建物があったので、そこで昼食タイム。
今回は手抜きでカップラーメンだったが、この素晴らしい天候と景色があれば、何の変哲も無いカップラーメンもご馳走に早変わり。
気持ちのよい青空と、心地よい空気に包まれながら1時間ほどのんびりとくつろいでから車まで戻る事にする。
ちなみにネイチャープラザのトイレは冬期も使えます。

帰りはここ一の瀬から、口笛の小径と呼ばれるルートを通り、再び牛留池の脇を抜けて駐車場まで戻る。
時間と体力に余裕がある場合はそのまま一の瀬を直進し、一の瀬キャンプ場を抜けて、女小屋の坂径を通り夜泣峠へ。
その後原生林の小径を経由して休暇村の駐車場に戻るルートもある。
そちらは行ってみたことがないので状況はわからないが、面白そうなルートだ。


そんなこんなでトータルで4時間ほどの短いスノーハイクではあったが、久しぶりのスノーシューを存分に堪能することができた。
ここ最近は緊張感のある山が多かったせいもあるが、ピークを目指すことなくのんびり雪の上を歩くのがとても楽しかった。
やはり毎回ピークハントというのも疲れてしまうから、年に何回かはこうやってのんびりスノーハイクを楽しみたいと思う。
そういう意味では、ここ乗鞍高原はスノーシューフィールドとしては非常にオススメである。
雪質も雪量も申し分ないし、コースも長すぎず短すぎず、傾斜もきつくない、アクセスも良い。僕が今までに歩いたフィールドの中ではダントツに良い。スノーシューがあるならば是非とも一度は歩いてみていただきたいフィールドのうちのひとつである。




余談だが、2シーズンに渡りスノーシューを使ってみて、僕個人として思う事が幾つかある。

こうはっきり断言していいものかどうなのかわからないが、そもそもスノーシューは 『登山』 には向かない。
森林限界より上はアイゼンの世界、無論スノーシューに出番は無い。
新雪を歩く点においてはワカンよりも遥かに勝る性能を有しているにも関わらず、重量とそのサイズが仇となり、長期山行や、もしもの積雪のための保険として持ち歩くには携帯性に勝るワカンが選ばれる事が多い。
そもそもスノーシューは構造上、浮力を得るための長さが災いし、登り斜面はともかく下り斜面にはめっぽう弱いという欠点がある。
斜度が急であればあるほどスノーシューは邪魔になる。それはスノーシューフィールドの代表格である、北八ヶ岳の縞枯山の下りですらそう感じるのだから、他の山域ならばより顕著に感じる事だろう。
故に、『登山』 という用途において言うならば、スノーシューは不向きと言わざるを得ない。


だが餅は餅屋である。
例えば登るだけ登って下りは滑って帰ってきてしまうBCにおいては、その欠点は無いに等しい。

そしてもうひとつ

『雪を楽しむ』 という点において、スノーシューの右に出るものは無いと僕は考える。


ピークを踏むという目的を達するための道具として考えるのではない。
ピークを踏みに行く過程、スノーシューを履いて雪の上を歩くという過程自体を目的と考える。
極端な話、目的地なんて無くてもいいのだ。ただ白いフッカフカの雪の上を、思うがままに好きなように歩き回る。
それこそがスノーシューを履く目的であり、最大の魅力であると僕は思っている。
こういう言い方が良いのかはわからないが、そんな 『ユルさ』 がたまらなく心地よいから僕はスノーシューを履いて雪原に出たいと思うのだ。
厳冬期のピークを踏む、ピンと張り詰めた山行ももちろん素晴らしい。
だがしかし、純粋に雪を楽しむスノーハイクだって決してそれに劣るものではない。
楽しみ方の違いであって、山を楽しむという目的はどちらも変わらないし、どちらも等しく素晴らしいのだろう。


年内に後何回スノーシューで出かけられるだろうか??
雪がフカフカのうちに、最低でもあと1回くらいは雪を楽しむスノーハイクもしたいと思う。


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by misawa_re7 | 2011-01-12 23:59 | 山行記録 2011


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