【山行記録】 夏風邪と膝痛を抱え、北アルプス 薬師岳へ 後編
7月18日 PM1:30 太郎平小屋。
今年最高の天候に恵まれ、これ以上ない登山日和だった今回の薬師岳山行。
しかし、登るならばこの日をおいて他にはないくらいの絶好の条件の中、僕は決断を迫られていた…。
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2010年7月18日 天候:晴れ
折立登山口往路 (折立~三角点~五光岩ベンチ~太郎平小屋~薬師峠キャンプ場)
折立登山口復路 (薬師峠キャンプ場~薬師岳~薬師峠キャンプ場~太郎平小屋~五光岩ベンチ~三角点~折立)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




行くか、退くか。

リスクとアクシデントを目の当たりにしたとき、我々はこの二つの選択肢の中から常に取捨択一せねばならない。
6月の甲斐駒ヶ岳で膝痛を発症してから、僕は幾度に渡りこの選択肢を突きつけられ、そして苦汁の決断をしてきた。
そして今回もまた…決断しなくてはならない。

天候はこれ以上ないほどの好天。
おそらくではあるが、薬師岳に登る予定の明日の午前中はこれよりも更に天候が良いと予想されている。
登るという点において、今回をおいて他にはないほどの好条件である。

しかし膝の状態は一番酷かった仙丈ヶ岳の時ほどではないものの、決して思わしくはない。
それに、今回の山行の工程時間を考えた場合、途中下山で往復6時間の行程だった仙丈ヶ岳の時とは違い、薬師岳往復して下山する場合その1.5倍以上の時間を要するため、リスクは仙丈ヶ岳の時よりも格段に高い。
確かに無理を押してでも明日の薬師岳からの眺めは見るだけの価値はあるだろう。
しかし1ヵ月後に縦走を控える身、今回無理をしたことで縦走自体がパーになってしまっては本末転倒だろう…
悩みに悩んだ末、僕は目的地の変更を決定した。


今回の最終目的地は薬師峠キャンプ場


そしてそこでキャンプをした後下山。
正直、これほどまでの好条件を前にしての撤退宣言ははっきり言って拷問に近い。
しかし後に控える夏山縦走のため、そしていずれまた訪れるであろう素晴らしき山行のため、今回は涙を呑んで膝を温存する事に決めた。

そうと決まれば、あとは限られた条件の中で存分に山を楽しむことにしよう!




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そんなわけで太郎平小屋に到着した僕ら、太郎平から眺める北アルプス奥地の山々は圧巻というほかなかった!

一番左は明日登るはずだった薬師岳。
次いで中央にそびえるは水晶岳、ワリモ岳、そして僕の大好きな鷲羽岳はこの位置からだと祖父岳の陰にちょうど隠れてしまってしっかり見ることができないのが残念だ…
そして今回は雲がかかって見えていないが、本来ならば三俣蓮華岳や双六岳、黒部五郎岳も見える。




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左の険しい岩山が水晶岳。
そこから右に小ピークを2つ3つ越えた先にあるとんがり帽子のような山がワリモ岳。
その右隣のドーム状の丸い山が祖父岳。
そしてその右からちょこんと頭を出しているように見えたり見えなかったりするチラリズムな山が鷲羽岳だ。

しかしこの時、僕はワリモ岳が鷲羽岳だと思い込むという致命的な勘違いをしていた。
地図を見れば一目瞭然簡単にわかる事なのだが、見た瞬間あれが鷲羽に違いないと勝手に決め付けてしまったのである。
こともあろうに大好きな山である鷲羽を間違えるとはお恥ずかしい話である…
しかも沢山人がいる前であれが鷲羽、鷲羽と連呼していたのだから、今思い出しても恥ずかしくて逃げ出したくなるwww

聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥である。
わからない時は勝手に決め付けないで周りの人に聞きましょうww


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今年の夏はあの山々を登るのだ。そう思うとワクワクする!

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そして今回登る事が叶わなくなってしまった薬師岳を眼前に納めつつ、太郎平小屋で暫しの休息の時。
夕食の準備中だろうにラーメンを二つ頼みつつ、僕らは小一時間ゆったりとした時間を満喫した。



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太郎平小屋でのんびりしていると、小雨でも降りそうな空模様になってきた。
夕立が降るほどではないだろうが、テント設営中にパラつかれるのはあまり歓迎できないので名残惜しいがテント場へ移動する事に。


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テント場である薬師峠キャンプ場は、太郎平小屋から薬師岳方面へ20分ほど下ったところにある。
もっと混雑しているかと思っていたが、案外空いていた。
いい場所はあらかた確保されているので選び放題…というわけにはいかなかったが、とりあえずそれなりの場所は確保する事が出来た。

ちなみにテント場の受付は中央やや左の建物で受け付けている。
スタッフが常駐している時間内であればここの建物で飲み物を購入する事も出来るので、わざわざ小屋まで戻って購入する必要はないが、スタッフ不在の場合や夕方、小屋に引き上げてしまって以降は当然購入する事が出来ないので買える時に買っておいたほうがいいだろう。
水場は写真の左端にぽつんと写っている、トイレは写っていないが水場の正面にある。
ちなみに水場の水はそのまま飲んでも全然平気だった。
胃腸の弱い僕が飲んでも平気なのだから、おそらくほとんどの人が大丈夫だろうが、責任はもてないので自己責任でお願いします。



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テント設営も完了し、のんびりとした時間を過ごす。
当然、明日の下山に備えて膝のマッサージとケアは怠らない。
明日は下り3時間のみとはいえ、下りが一番キツイので少しでも痛みは無いに越した事はない。

それにしても悔しいくらいに綺麗な青空だ…これはもしかしたら今晩星が綺麗に見えるかも。



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夕方、夕焼けが綺麗に見えそうだったので、太郎平小屋まで撮影をしに行く事に。


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影の2ショット。


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いい具合に日が暮れてきた。


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水晶、ワリモ、鷲羽方面も赤く色づいてきた。悪くない。


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太陽さん、今日も1日ありがとう。
綺麗な夕焼けを見ながら今日1日の行程を反芻する。

しかし僕らは昨年の10月、御嶽山で 『太陽柱』 と呼ばれる夕焼けを見てしまって以来、こと夕焼けに関しては並大抵のそれでは感動できなくなってしまった。
太陽柱は珍しい気象現象ではあるが、毎日夕暮れの空を眺めていれば決して見ることができない現象というわけではない。
しかし年にそう何回もあるわけではない山での宿泊の際に遭遇するとなると、その確率は限りなくゼロに近い。
またいつか山で太陽柱を見たいと思うが、やはりなかなか難しいのが現状だ…。



その後僕らはテントに戻り、明日の下山に向けて膝を温存するために早々と就寝することにした。
目覚ましのタイマーは夜中の0時にセット。

そんな時間に起きて一体何をするのかといえばもちろん…










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やはり予想通り、満天の星空だ!


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天の川…なんて美しいんだろう…
下界で見るそれとは全く別次元だ。


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僕は昨年8月に嫁と一緒に山を再開するにあたり、もちろん縦走もしたいと思っていたのだが、それ以上にかつて高校時代に仙丈ヶ岳で見た星空の美しさが忘れる事が出来ず、この下界では決して味わう事の出来ない満天の星空を嫁に見てもらいたいと思っていたのだ。
そのために、昨年の10月に御嶽山に1泊で登ったのだが、その時は実に美しい満月だったため星は全く見えず…
それ以降何度も山で泊まったけれど、僕らは星と相性が悪いらしく、一度も綺麗な星空を見ることは叶わなかった。

それが今、何一つ遮るもののない満天の星空をようやく仰ぎ見る事が出来た!!

あえて何も言うまい…
今回は薬師岳に登る事が出来なかったけど、しかし得るものがなかったわけじゃない。
青い空、白い雲、そしてこの空を埋め尽くさんばかりの星空…。その一つ一つを心に刻みつけ、明日、僕らは下山する。





翌日、7月19日

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少々見づらいパノラマで申し訳ないが、予報どおり昨日以上の素晴らしい快晴だ。



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昨日見えなかった黒部五郎岳もしっかり見え…

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槍ヶ岳もはっきり見えた!
今日薬師岳登った人たちはさぞ素晴らしい展望を満喫しているんだろうな…
羨ましいけれど後悔しても仕方ない。いつかまた膝を治して必ずリベンジに来ると誓った。



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早朝の太郎平小屋。
昨日の喧騒が嘘のように静かだ、みんな薬師岳へ向かったのだろう。

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ベンチに荷物を置き、のんびり出立準備。
急ぐ事はない、ゆっくり、かつ時間をかけてマッサージとストレッチをしてから出発する事にする。




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さらば太郎平!
名残は尽きないが、一ヵ月後の縦走でまた再び来るからな!
こうして僕らは薬師岳、そして太郎平を後にしたのである。




そんなわけで、結局今回は残念ながら予定通り薬師岳へ登る事は叶わなかった。
登れば素晴らしい絶景が待っていただろうが、しかし登っていたら無事に下山できた保証はない。
現にこの日、太郎平から折立への3時間の下りだけで、正直限界に近かった。
まぁ太郎平から薬師岳への往復はほぼ空荷だったろうから単純に比較は出来ないが、いずれにせよ無理をしては縦走の成否に関わる。
ここは無理をしなくて正解だったのだろう。

先日の仙丈ヶ岳、そして天候不順だった燕岳に続き、リベンジせねばならない山にここ薬師岳も加わってしまった。
今年の山行は往々にしてトラブルや天候不順が多い…
まぁこればっかりは仕方ないので、またゆっくり時間を掛けてリベンジしていくことにしよう。


↓ また無念の結末を迎えてしまった…。慰めポチを是非よろしくお願いします(´・ω・`)

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by misawa_re7 | 2010-08-28 07:35 | 山行記録 2010


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