【山行記録】 GW登山 涸沢再び! 残雪の涸沢カールへ 復路下山
GW後半、僕らは念願の涸沢に辿り着くことができた。そして一番の目的であった滑落停止訓練も無事体験する事ができた。
残雪の涸沢カール、穂高連峰は、綺麗を通り越して神秘的ですらあった。
そんな涸沢ともお別れの時。
名残は尽きないがいつまでも居続けることはできない、僕らには下界での生活が待っているのだから…。
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2010年5月4日 天候:晴れ
涸沢~上高地ルート(涸沢ヒュッテ~本谷橋~横尾~徳沢~明神~上高地)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




ふと目を開けると外は明るくなっていた。
いつの間に寝ていたのだろうか??
昨晩はそれほど寒くなかったので、シュラフのファスナーを開けて寝ようかどうしようか迷っていたあたりまでは記憶にあるのだが…
どうやら結局ファスナーをピチっと閉じて寝たようだ。
今回も寒くもなく、暑くもなくの快眠だった。
暑く寝苦しかった白駒池スノーキャンプの時よりも気温が高く感じたが、あの時より湿度がだいぶ低かったのが幸いしたようだ。

周りのテントが慌ただしく動き始めるのをシュラフの中で夢うつつに聞きながら、徐々に目が覚めてきた。
僕が目覚ましをセットしたのはAM4:30。
シュラフからモソモソと這い出て時計を見るとAM5:00


まぁた寝過ごしたよ σ(´-ω-`;)


思い返せば、僕らは毎回毎回テント泊をするたびに必ず寝過ごしている。
大体1泊2日の行程なので、30分くらい寝過ごしたところで大して影響はないのだが、毎回ルーズなのは非常にいただけない。
少し引き締めないといけない…。
と、いうか、最近全然目覚ましが鳴っていない気がするのだが…僕らの眠りが深いだけか??


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テントからひょっこり顔を出してみるもまだ薄暗い。日の出はまだだろうか?
外では身支度をしている人、テントを撤収している人、もう歩き始めている人と様々だ。
僕らはこれから下山するだけだが、あまりのんびりしていると日が昇り、また雪が腐り始めてしまう。
できれば雪が少しでも固いうちに下山したいところだ。
朝食のフルーツグラノーラをパクつきながら、テントに戻り撤収準備に取り掛かった。


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必要のないものはテント外へポンポン放り出す。
ともかくテントをたたまない事には僕がパッキングできないので手早くテントを撤収する。と同時に隣でお湯を沸かす。
今回の朝食はフルーツグラノーラオンリーだが、せめて朝はお茶の一杯くらいは飲んでから出発したい。


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そうこうしているうちに日が昇り始めた…のだが

全然朝焼けにならない(;´Д`)

昨日の夕焼けも然り、星空も然り、そして朝焼けすらも駄目だった…。
今回、好天に恵まれた割には、上記の自然の美にはとんと縁がなかったようだ。
まぁこればかりは大自然が相手だから仕方がない。
それに一度撤退の憂き目に遭い、今シーズンはもう来れないと思っていた涸沢に来る事ができただけでも良しとすべきだろう。



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そんなこんなでテント撤収とパッキングが完了。
僕の場合テント撤収後は、竹ペグを打ってあった4隅がいつも穴ボコになってしまうのだが…
前ここにテントを設営していた人もそうなのだが、テント設営跡に全然ペグを打ってあったであろう穴があいておらず、綺麗に四角い整地跡が残っているだけだった。
どうしてテント設営跡があんなに綺麗なのだろう?
竹ペグにしてもスノーアンカーにしても、一度穴を掘って埋設するのだから、少なからず穴は空いていて然るべきだと思うのだけど…
何か僕のペグの打ち方間違っているのだろうか?それともテント撤収後にしっかり穴を埋めているのか??
毎回テント撤収時に疑問が残るのである…σ(´∀`;)


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ピッケルの保護カバーの中にお守りのクマを収納ww
一般的に、こういう可愛い小技を思いつくのは女性の方と相場が決まっているのだが、なぜか我が家ではこういう小細工を思いつくのは僕だw



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【AM7:00】
日も昇り、周囲が明るくなると共に、テントサイトも再び賑わいを見せる。
この時点でもうテントは半分以上撤収され、皆思い思いの場所へ出発していった。
僕らももう少ししたらこのテン場に別れを告げ、下山せねばならない。そう考えると、ふと一抹の寂しさを覚えた。

撤収準備も完了した事だし、涸沢カールに最後の別れを言いつつ、記念撮影をすることに。



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また絶対に来るからな!
次来た時は、ここから見えている峰のひとつくらいは必ず登ってやる!!



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そして最後に、涸沢カールから見上げた穂高連峰の大パノラマで締めくくりたいと思う。
楽しかったぜ、涸沢カール!!じゃあの!!




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涸沢ヒュッテの鯉のぼりとも別れの時。
次来る時はヒュッテで小屋泊も悪くないな…。
また再会する時を夢見て!名残は尽きないがいつまでも感傷に浸っているわけにはいかない。
さらば涸沢ヒュッテ!!じゃぁの!!



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【AM7:30】
涸沢ヒュッテを出発。(撮影地点2にて撮影)
雄大な奥穂高岳をバックに、一歩一歩雪を踏みしめながら下っていく。
てかそんな事よりも、ゆっきーさん…アンタ


右足首捻ってませんか??(;゚Д゚)


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下りは上りと違ってグングン歩が進む。
上りであれだけ時間を要したヒュッテへの斜面も、あっという間に鯉のぼりが小さくなるまで下ってしまった。
嬉しいような寂しいような…


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徐々に奥穂高岳が遠くなる。


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下り始めてから時間にして約15分。(撮影地点3にて撮影)
涸沢ヒュッテも奥穂高岳も、もう手の届かないところにまで離れてしまったようだ。
名残惜しいから何度も何度も振り返ってしまう。

下りは昨日の上りと違い、非常に軽快だった。しかし嫁は僕よりバランス感覚が悪く、下りではその差が顕著に出る。
それだけに、僕と嫁との速度差が生じてしまう。
後ろから足音が聞こえるから、ちゃんとついて来ているんだなと思って振り向いたら、そこに居たのは全然知らないおばさんで、肝心の嫁は後ろの方で米粒のように小さくなっていた(;゚∀゚)
登山技術を磨くのも大事だが、バランス感覚のような基本的な身体能力の強化も必要だと感じた。


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嫁が突然靴紐の調整…。
てかスパッツを履く前に紐の調整くらいやっておきましょうww


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屏風ノ頭の影と追いかけっこ。日陰がどんどん逃げていく。
僕らは出発時間がやや遅かったのでずっと日なたを歩く羽目になったが、もう30分早く出発していれば日陰の歩行だったと思われる。
そうすれば雪も締まっていて歩きやすかったんだろうな…。
結局朝の30分の寝坊がこういった形で地味に効いてくる。やはり早起きは三文の得なのだ。


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ついに涸沢ヒュッテが見えなくなる。(撮影地点4より撮影)
そしてここより先に進むと奥穂高岳もこれにて見納めになる。
まぁ厳密には、角度は変わるが奥穂高岳は上高地からでも見えるけれど。


グッバイ!涸沢ヒュッテ!(。・_・。)ノ



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1時間も歩くと、じわりじわりと荷物の重さが肩にのしかかってくる…。
やはり楽なのは最初だけ。荷物の重さはほとんど変わらないのだから(;´Д`)

そろそろ斜面も緩やかになり、ピッケルを刺せるほどの傾斜がなくなってきた。
ピッケルワークの練習のためにここまでピッケルで来たが、刺さらなければ全く意味がないのでストックに持ち替える事にした。
これで多少は楽になるに違いない。


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本谷橋付近で突然嫁が吹っ飛んだww
転んだというよりも吹っ飛んだという表現の方が正しいくらい派手にいった。
どうやらアイゼンをスパッツに引っ掛けたらしい。とりあえず大事には至らなかったので胸をなでおろす。

昨日、今日と散々アイゼンワークの練習をしたが、やはり疲れて集中力が途切れた時にこそその真価が発揮される。
そういう意味ではまだまだ練習不足なのだろう。
今年はもう、そう何度もアイゼンを履く機会はないだろうが、来年また一から練習あるのみだ。

というか、嫁が派手にすっ転んでいるのに、毎回冷静にその姿を写真に収めている僕は鬼か?σ(´∀`;)




【AM8:50】
本谷橋付近到着。平坦な場所に腰をすえて、一旦休憩をする。
途中靴紐を縛るために10分ほど休憩した以外はノンストップでここまで来た。そこそこのペースだ。


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奥穂高岳、前穂高岳はもう見えなくなったが、ここいらで北穂高岳もそろそろ見納めだ。
途中まだ見える前穂高岳や、上高地から見える奥穂高岳と違って、北穂高岳は本当に見納めである。
こうして見ると本当に綺麗な山様だ…、来年こそはあそこに登れるだろうか??


グッバイ!北穂高岳!(。・_・。)ノ


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【AM9:55】
横尾到着。(撮影地点6にて撮影)
4日の朝と比較すると閑散としている…。人が一杯で座るベンチを確保できなかったのがまるで嘘のようだ。

ここから上高地までの平地歩き3時間は正直拷問に近い。
ソールの固い登山靴で歩いている人ならば多分共通認識だと思うが、斜面よりも平地の方がダントツ歩きづらい。
しかも舗装路や砂利道は特に歩きづらい。
僕らの登山靴ハンワグのマウンテンライトは、ソールのつま先部分が軽く弧を描いている特殊な形状のため以外に平地も歩きやすいのだが、それでもやはり辛いものは辛い…。

ここは一発景気付けとばかりに、このあたりから徐々に登場し始める文明の利器 『自動販売機』 にてポカリを購入!
僕らは普段水しか持ち歩かないため、たまに味のついた飲み物を飲むとたまらなく美味い!元気が出た(*´∀`*)
しかし、ここでビール!と言わないのが、いかにも僕らしいww




【AM11:10】
徳沢到着。
案の定、平地歩きが一番辛い。横尾で補給したポカリパワーは、歩き始めて10分くらいで使い果たしたww
再び文明の利器にお願いして、今度はコーラを購入!美味い(*´∀`*)

やはり28kgの荷物はキツイ。足、腰、肩、そこらじゅう満遍なく痛い。
普段からコンスタントに20kg前後を背負っているから大丈夫だろうと甘く見ていたが、やはり8kgも重いと全く別物だ。
ベンチに腰かけ、靴を脱ぎ、軽くマッサージと柔軟体操をしながら残り2時間歩けるだけのコンディションに仕上げなくてはならない。
何でもいいから荷物を捨てて軽くしたいが、軽くできるものもなければ捨てることができるものもない。
あとは昨日の上りと一緒、気力の勝負だ!


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明神の手前で野生のサルの群れと遭遇。(撮影地点7にて撮影)
もう野生動物とか見ても全然感動できる状態ではなかったが、とりあえず撮影してしまうのは悲しき性か…w




【PM0:05】
明神到着。
一般的に、登山者は今までどおり梓川の左岸を歩いていくのがセオリーなのだが…
僕らは寄るところがあったので、ここから明神橋を渡り、梓川の右岸に渡った。
一度明神で休憩しようかとも思ったが、目的地が目と鼻の先なので気合を入れて歩く事にした。


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【PM0:20】
嘉門次小屋到着(撮影地点8にて撮影)
目的地とは、ここ嘉門次小屋である。
明神からは対岸にあたり、明神橋を渡って少し上高地方面に戻るとすぐに小屋が見えてくる。
僕は過去に観光で2回ほど上高地を訪れているが、毎度欠かさずここで岩魚の塩焼き定食を食べるのが決まりごとになっている。


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囲炉裏で焼いた、焼きたての岩魚は頭から尻尾まで全部食べられる。
山から下りて来て初めて食べるまともな食事だけに、とてつもなく美味い!!
観光で来た際、上高地からの1時間のウォーキング後に食べた時ですら美味いと思ったのに、山から下りたあとでは別格だ!
もう涙が出そうなくらい美味い(´・ω・`)

もし山行の際に明神、上高地へ下ってくる際は是非!!




【PM1:00】
嘉門次小屋出発。
お腹もいっぱいになり、元気が出た。あと1時間頑張って歩こう!
ちなみに左岸は登山者の比率が高い道だが、こちら右岸は登山者はほとんどおらず、一般観光客だらけである。


僕らテント泊装備の登山者は浮きまくりである(;´Д`)


一般観光客の好奇の視線が痛いこと痛いこと…
気になる場合はまた再び明神橋を渡り、左岸に渡る事をオススメするσ(´∀`;)
そんなわけで、一般観光客に紛れながら最後の1ピッチを歩く。
腹は膨れたけど、依然として足、腰、肩は痛いので、やはり気力を振り絞って歩く。
軽装の一般観光客がひどく恨めしいが、彼らは残雪の穂高岳を眼前で見ることなどできないわけで、その代償ならば辛いのも仕方ないと自分に言い聞かせながら、一歩一歩足を前に踏み出した。


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河童橋まであと少し。
岳沢カール越しに見る奥穂高岳はなんと遠い事か…。
ほんの数時間前までは手を伸ばせば触れられそうなほど近くにあったというのに。
過ぎた時間に思いを馳せ、必ずまた残雪の穂高を拝みに…いや、次は登りに来ようと誓った。


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【PM1:50】
河童橋到着。(撮影地点9にて撮影)
これにて、辛かったけど楽しかった2日間が幕を閉じたのである。

コースタイムは以下。

【AM  5:00】 起床
【AM  7:30】 涸沢ヒュッテ出発
【AM  8:00】 小休止
【AM  8:10】 発
【AM  8:50】 本谷橋到着
【AM  9:05】 発
【AM  9:55】 横尾到着
【AM 10:10】 発
【AM 11:10】 徳沢到着
【AM 11:25】 発
【PM  0:05】 明神到着
【PM  0:20】 嘉門次小屋到着 〔昼食〕
【PM  1:00】 発
【PM  1:50】 河童橋到着


総評

4月28日、天候不順により撤退してより1週間。
やり直しの再チャレンジ登山として登った、今回の涸沢カールだったが、2日間通して最高の天候に恵まれ、当初の目的としていた雪上訓練も予定通り行う事ができ、僕らにとって十分に実りのある2日間だったと思う。
先日購入した、アイゼン、ピッケルも存分に振るう事ができたし、経験も積む事ができた。
荷物は前代未聞の28kgとベラボウに重く、弱音も吐きそうになったし泣き言も言いたくなったが、それらを自分の中に押し込んで気力で登りきった事も、ひとつの経験としていつか役に立つ時が来るに違いない。

朝焼け、夕焼け、星空が思いの他悪く、キツイ思いをして担ぎ上げた三脚を十分に使えなかったりと、細かい不満がないわけではないが、大自然の天候を相手に全てを望むのは傲慢というものだろう。
一度は諦めた涸沢の地に立つ事ができたというだけで、天の采配に感謝しなければなるまい。

スケジュール的にも過密気味だったGWにあって、何のトラブルもなく無事下山する事ができて本当に良かった。
今回浮き彫りになった課題も、またよく検討して次からの山行に生かして行こうと思う。
実に楽しく、実りのある2日間でした。
長くなりましたが、これにてGW涸沢カールの山行記録を閉じさせていただきたいと思います。(。・_・。)


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by misawa_re7 | 2010-05-23 20:40 | 山行記録 2010


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