【考 察】 股関節痛を検証する
先日の奥茶臼、そして北八ヶ岳縦走と、二度に渡り発症した股関節痛。
一度ならば偶発的な怪我として処理してしまってもよかったのだが、2度に渡って同じ箇所に発症しているところをみると、どうやらそう楽観的に受け止めるわけにもいかなくなってきてしまった。
では股関節痛の原因と対策について真剣に検証してみる事にしよう。
f0222003_2150476.jpg




上は北八ヶ岳縦走の際、痛みにへたり込む僕の写真である…過去のブログを読んでくれている人は記憶に新しいかもしれないが。
事の発端はこの日の前日、北八ヶ岳の中山からにゅうへ向かう雪道で起こった。
前兆は軽い股関節の違和感程度だった。
しかしそれが歩くのも困難なほどの痛みに変わり、おかげで2日目の予定を大幅に短縮せねばならなかった。


それが、僕とこの股関節痛とのファーストコンタクトだった。


この時はこれが単に一過性のものだとたかをくくっていた。
現に1週間もしないうちに痛みは取れ、そのさらに翌週には鬼ヶ岳の山行を普通にこなしていたのだから。
しかし今回の奥茶臼山行でこの股関節痛と二度目の再会を果たすという事実に至り、どうやら僕はコイツと長いお付き合いをしなければならないのかもしれないという不安に苛まれる結果になってしまった。

いずれにしても、一体何故こんなことになってしまったのか、原因を追究せねばならない。
とりあえず奥茶臼の翌日、病院にて診察してもらうことにした。



結果、異常ナシ(;´Д`)



レントゲンも撮ってもらったが、どうも異常と思われる箇所はないらしく、医師もどう診断したらいいやら悩んでいたくらいである。
僕は医師に、どうしたら山行中にこの痛みが出ないようにすることができるか、あるいは日常のケアで痛みを予防する事ができるかといった建設的な意見を求めたのだが、残念ながら納得のいく回答は得られなかった。

となれば、自分で原因を検証し、それに対する対策を練り、自分で実証するしかない。




それにはまず、この股関節痛がどういう状況下で発生するのかを明確にする必要がある。
股関節痛が発症した奥茶臼、北八ヶ岳縦走、双方に共通するのはいずれも雪山だったという点である。
現にここ半年近く無雪期で歩いてきたが、一度たりとも股関節に違和感を感じる事ははかったのだから。
そうなると雪に原因があるのは有力だが、しかし雪山が原因とするならば、この冬何度も北八ヶ岳にはスノーシューで通っていたし、北八ヶ岳縦走の前には白駒池スノーキャンプも一泊で行っているのだから、そちらでも発症していなければおかしいことになる。

奥茶臼、北八ヶ岳縦走にあって、北八ヶ岳スノーシューや白駒池スノーキャンプになかったもの…


それは標高差ではないだろうか?


北八ヶ岳のスノーシューは、蓼科ピラタスロープウェーを基点に、各山を往復する形をとっていた。
その中でも最も標高が高いのは北横岳の2471mであり、ロープウェー山頂駅の標高が2237mだから、たかだか240mの登りである。
それに対して北八ヶ岳縦走の渋の湯から黒百合平までの登りは標高差約600m。
奥茶臼山に至っては登りの標高差1150mである。
数値化してみると一目瞭然だ。
どうやら雪山の急登に何かしらの要因が隠されていそうである。




そこで僕は考えた。そもそも無雪期と積雪期の歩行において、最も違う点は何だろうか??

僕が思うに足場の安定性ではなかろうか??

無雪期ならばなんてことのない急登でも、雪が積もり、あるいは凍結することで全く別の道に変わってしまう。
滑る足場の上ではバランスを保つために、安定した場所の比ではないくらいの負荷に晒される。
そして関節はいわばボディバランスの要である。
人間がバランスを崩しそうになる時、最も負担がかかるのがおそらく関節だろう。
とかく歩行において、その役割を一手に引き受けているのが股関節ではないだろうか??

さらに急登となれば関節の稼動域は、普段我々が生活している中で使っている稼動域よりも大幅に広くなる。
普段使われない稼動域において、普段の比にならない負荷をかけられる…それも長時間にわたって。
そう考えれば関節が悲鳴を上げるのも無理はないと思えてくる。


つまり、雪山長い急登長時間登った時に発症する可能性が極めて高いという結論に達した。


しかし、その結論が正しいとするならば、僕は一定以上の雪山に登ることができないということになってしまう。それでは困る…。
かといって、雪も、傾斜も、所要時間も僕の手では減らす事は出来ない。
それならば僕の身体をそれに見合ったカタチに対応させるしかない。




まず普段から出来る対策としては


筋力の増強

関節稼動域の拡張

バランス感覚の強化


が挙げられるだろう。まぁざっくり言ってしまえば、筋トレとストレッチである。
筋肉は関節を保護する役割を果たすため、増強することによって関節にかかる負担を軽減することができる。
関節稼動域の拡張は、制限された狭い稼動域では、関節にかかる負担が増加してしまうため、普段から稼動域を広げるトレーニングをすることによって、関節への負荷を減らす効果がある。
そしてバランス感覚を強化することによって、山行中に不意にバランスを崩す機会を減らし、関節にかかる無理な負荷を軽減するのだ。
関節自体は直接的に鍛える事は出来ない。
その分、関節を保護する部位を積極的に強化することによって、関節への負荷を減らすのが目的なのだ。




しかしそういった、身体的な部分の未熟さとは別に、僕は雪中歩行技術にも問題があるのではないかと考えている。

僕が僕の歩行スタイルにおいて最も危険視しているのがオーバーペースである。
僕は普段から比較的コースタイムを気にするタイプなので、どうしても歩を早めがちな傾向がある。
積雪期は特に顕著で、積雪していればコースタイムより遅くなるのは当然なのだが、どうもそれが自分の中で納得できないのか、必要以上に急いでしまう事もしばしばある。
今回のように行程が非常に長い奥茶臼山だったり、一泊山行だったりすると、出来るだけ早く目的地に着きたい、あるいは下山したいと思うのは人間の心理上仕方のない事ではある。
歩を早めるのはいい、しかし急ごうとすればするほどに歩き方は荒くなり、歩幅を広くしようとすれば関節に負担もかかる。
そういった焦り逸りの積み重ねが肉体に負担をかけるという事実を僕はしっかり認識しないといけないと思うのだ。


つまり、肉体やバランスの強化とは別に、多少の事では揺るがない確固たる歩行技術と、歩を乱さない安定した精神力を身につけなければいけないと思っている。
コースタイムより遅れたからといって、いちいち焦って歩を乱しているようでは身体がいくつあっても足りない。
それにより、タイムオーバーで途中撤退しなければならない状況や、遅れによる計画の変更といった苦肉の決断をしなければならない状況も出てくるかもしれない。
しかし、身体を壊す事と天秤にかければ、そんなもの比較するにも値しない。
所詮山には遊びに来ているのだから、日常生活に支障しない範囲で行われなければならないと思う。




そんなわけで、今後の山行では、股関節は僕の弱点であるという認識の下、しっかりケアしながら山を登ろうと思う。
悲しい話であるが、体力に任せてガンガン攻めていけた若い頃とは違い、身体は年相応の欠陥を抱えているということなのだ…。
僕はこれからも山を続けていきたいと思っている。
ならばこそ、身体は資本であり、何よりも優先すべきは自分達の身体の安全と保護だという事を念頭に置かなければならないのだ。

そんなわけで身体に持病をお持ちの皆さん。
僕などに言われるまでもなくわかっていると思いますが、身体は大事にしましょう(ノ∀`*)


↓ ご愛読ありがとうございました。ポチっとしてもらえると励みになります(*´∀`*)

人気ブログランキングへ にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ

by misawa_re7 | 2010-04-22 00:18 | 考 察


<< 【書 籍】 書籍と愛読書と山と... 【山行記録】 大絶景 南アルプ... >>