【山行予定】 2011年 GW山行プロローグ
『今年のGWは再び涸沢に行こう』

そう早い段階から決めていた僕らは、4月28日~5月1日までの3泊4日で涸沢行きの計画を練っていた。
しかし現実は無常である、一発の雪崩が計画の全てを破綻させてしまった…
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冒頭でも触れたとおり、僕らは昨年のGWにも1泊2日で涸沢へ行った。
上の写真は昨年の涸沢のものである。

涸沢山行を含む、昨年5月のブログはこちら

昨年はアイゼンとピッケルを揃えて間もなかった事もあり、涸沢よりも上へ行くつもりは毛頭なかった。
当時はまだ本格的な雪山になどほとんど登ってないどころか雪山を始めたばかりで、言ってみれば僕らは完全なずぶの素人だった。
そもそもGWの涸沢に行く事それ自体が大冒険であり、それより上に行こうなどと考えるのは自殺行為に等しかったのだ。
そのためまずはピッケルとアイゼンに慣れるべく涸沢ヒュッテ周辺で雪上訓練をし、翌日には下山するという比較的短い滞在だった。
そんな短い滞在期間の涸沢ではあったが、テント場から見上げた美しい穂高の峰々の印象はとても深く僕らの心に刻み込まれ、そしていつかそれらに登りたいという強い決意を胸に抱くに至ったのである。
そしてまた必ず再訪することを心に誓い、僕らは涸沢を後にしたのだった。


そうした経緯を経て迎えた今シーズン。
登った雪山の数はようやく10を越え、悪天候、強風、急雪面、深雪、薄氷とある程度のシチュエーションはひととおり経験してきたつもりだ。
とても十分とは言えないまでも、涸沢より上にチャレンジする最低限の資格は得たものと僕は考えた。
昨年は取り付くことすら許されなかった壁のような雪面にようやく一歩を踏み出すことができる。
そう考えるだけで未踏の雪面への不安と恐怖、そして高揚感とが湧き上がり、入り混じる、そんな最高のテンションの中に僕はいたのだ。





だが無常にもそれは起こった。




涸沢ヒュッテを大規模な雪崩が襲ったのは4月26日。
既にパッキングを終え、あとは出発の時を待つだけとなっていた僕にとって、その報道はまさしく晴天の霹靂であった。
その後、夜の県内ニュースで涸沢ヒュッテの雪崩被害の写真が流れたのだが、それはもう驚愕の一言だった。
あの涸沢ヒュッテの象徴ともいえるテラスは跡形もなく消え去り、売店も全く形を残してはいない。
宿泊棟の窓を突き破って雪が流れ込んだ写真もあり、これはとんでもないことが起こってしまったと改めて実感することとなったのである。
それと同時に横尾より先の入山規制がかかり、28日に涸沢に上がるのは事実上不可能な状況に追い込まれてしまったのだった。

実は僕らは昨年も涸沢入山規制によって、一度涸沢行きを断念している。
昨年のGW前半は天候が荒れたため大量の積雪があり、雪崩の危険性から一時的に入山規制がかかったのだ。
かつて涸沢の悪夢と名づけたそれは、上高地まで行ったとたんに入山規制がかかり、ただ交通費のみを無駄に浪費する結果に終わった、まさに悪夢のような出来事だったのだ。
そして今回、まさしく涸沢の悪夢再びである。どうやら僕らは涸沢とは相性が良くないようだ…


結果、僕らは選択を迫られる事となった。
近日中に規制解除されることを信じて上高地入りし、横尾で停滞して規制解除を待つか。
あるいは全く別の山域へ目的地を変更するかだ。
ちなみに5月2日~5日までは別の予定が入っている関係上、日程の延長は不可能。狭い範囲の中で厳しい選択を迫られる事となった。

まず涸沢を選択した場合、規制解除の時期が予測不能であり、仮に解除されたとしても雪崩のリスクは非常に高い。
よしんば涸沢までは安全に行けたとしても、そこから上のリスクはそれよりさらに格段に高い事は想像に難くない。
5月1日には天候が崩れる予報だったので、おそらく30日に無理やりアタックかけることができれば御の字といったところだろう。
状況から判断するに、横尾&涸沢での長期ステイで終わる可能性が非常に濃厚だろうと思われた。


そこで選択肢として浮上したのが、常念山脈縦走である。


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蝶ヶ岳~常念岳~大天井岳~燕岳


一般にはパノラマ銀座と呼ばれる事が多く、大変人気の高い縦走路である。
今回、涸沢の代案として、僕らはこの山域に焦点を当てた。
ちなみに、このプランは今回のGWの予定を立案するにあたり、涸沢にしようかどちらにしようか最後の最後まで迷っていたプランだった。
雪崩により涸沢行きが事実上頓挫した今、既にあるこのプランをスライドしてくるのが最も自然な形と言えた。
他に候補地がなかったわけではないが、全く下調べをしていない新たな山域を目指すよりは、多少なりとも調べてあった常念を目的地に選ぶ方がまだマシであり、この時点でこれ以外の選択肢はほぼなかったと言える。


そんなわけで、GW山行は直前になって急遽、涸沢から常念縦走へと転進することになったのである。


だが、この時点で小さいながらもトラブルの布石は着々と打たれていたのだ。
我々の与り知らぬところで不吉な暗雲がたちこめ始めていたことを、僕らが知るのはもう少し後の話である。
それについてはまた近日中に執筆予定のブログ本編にて。






さて話は変わるが、実のところ今回のGW、行き先を涸沢に定めた時から心の片隅ある一抹の不安を拭いきれなかった。
と、いうのも、前回通行規制のため涸沢で足止めを食らうという手痛い経験をした事もあり、まさかとは思うがもしかしたら今回も同じような事があるのではないかという疑念が頭から離れなかったためである。
よもや再び通行止めにはならずとも、雪崩や停滞によって予定通りの行程を完遂できないだろうことは、ある程度は覚悟していたのだ。

そのため、実はGWとは別に、5月8日~10日の3日間、嫁には公休と有給を繋ぎ合わせて3連休をとってもらっていた。
これは万が一GWの予定を完遂できず消化不良に終わった場合、再びリベンジをする時のために確保しておいた休みなのである。

結果として涸沢の状況は予想の遥か斜め上を行き、完遂するどころか行く事すらできないという無残な結末を迎えてしまった。
そのため、保険としてとっておいたこの3連休を使って、本命であった涸沢へ行く事を決めたのである。


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今回の目的地は北穂高岳

高いところが苦手な嫁にとっては少々ハードルは高めだ。
もちろん奥穂高岳は論外で、今思えば涸沢岳という選択肢もあったのだが、頭からすっぽり抜け落ちていたw
ともかく今回の目的は涸沢より上。
山頂には固執せず、雪の状態や天候によって状況判断し、場合によっては涸沢ステイも止む無し。
何にせよ、八ヶ岳や南アルプスとはまた違った雪の斜面とその怖さを体感して帰ってこれれば良いというのが今回の主旨である。
ただ唯一気がかりだったのはGWのピークを越えた後、涸沢やそれより上のルート状況はどのようになっているか、その一点だった。

しかしいかにGWから外れているとはいえ天下の涸沢である。
いくらなんでも人が全くいないということは考えられないし、小屋も営業しているのだ。
最悪の場合でも物資は小屋で調達できるし、情報も得られるだろう、トレースもある程度期待できるに違いない。
そういう意味では、空木や常念縦走に臨むよりも多少気が緩んでいた事は否定できない。

しかしトラブルというものは得てして、油断から生じる心の隙間に忍び寄ってくるものであるが…さて。
こちらも近日中に執筆予定のブログ本編にて。





そんなわけで、GWを挟んで2つの山行を強制敢行してきた僕ら。
直前になっての予定変更、体力の低下や下調べ不足などなど、ネガティブな要素は数限りなく存在した。
事実、これらの山行は決して順風満帆とは言いがたいものだった事だけは事前に明記しておこう。

果たして、今年のGW山行はどういった結末を僕らに用意してくれたのだろうか??


GW前半 常念縦走編へ続く


GW後半 涸沢 北穂高岳編へ続く


↓ 今年のGW山行、果たしてどのような結果をもたらしたのか…とりあえず常念編に期待のポチを!(-´▽`-)

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by misawa_re7 | 2011-05-11 13:57 | 山行予定


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