【山行記録】 級友のテント泊デビュー そして仙丈ヶ岳リベンジへ 前編
『俺、テント買うわ』

それは僕の20年来の親友である 『タイ氏』 の、唐突にして驚愕のその一言から始まった。
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『タイ氏』 とは、僕の小学校の頃からの級友で、いわゆる竹馬の友というやつである。
過去に何度かブログにも登場しているので、僕のブログを当初から読んでくれている方には馴染みのある名前かもしれないが、誰だかさっぱりわからんという人が大半だと思うので、もう一度彼について説明しておきたいと思う。
過去のブログから彼の紹介文を抜粋する。



僕の友人関係はひどく偏っている。
何を隠そう、友人のほとんどが小学校時代の同級生なのである。ちなみにうちの嫁もその内の一人である。
最近は車関係の友達も増え、交友関係も広くなってはきたのだが、基本的に交友関係は狭い。

そんな古くからの悪友の一人に、昨年タイから帰国した 『タイ氏』 がいる。
彼は僕の古くからの友人の一人で、小学校、中学校、高校通して同じ学び舎で学んだ数少ない友人だ。
僕とは主義主張が基本的に異なり、酒が入るとつい討論会になることも少なくなかった。
かといって気が合わないわけではなく、現に20年以上変わることなくつるんでいるのだから、適度な意見の相違が逆にいい塩梅なのだろう。
価値観には相違がある彼だが、不思議と感性は僕と良く似ている。
そんな彼だから、きっと山に登れば僕と同じく山を好きになるに違いない。僕はなんとなくそう確信していた。

しかし、彼はここ数年の間、ずっと海外勤務であったこともあり、年に数回顔を合わせる程度であった。
僕が山を始めてしばらくして、彼を誘おうとしたことがあったのだが、その時は国内にいなかった。
そして帰国したタイ氏を初めて山に誘った経緯は過去のブログにある通り。

結果として僕の推測どおり、彼は山に興味を示し、今日に至るまでに何度か僕らと山行を共にする事となったのだが…

しかし、彼を伴って行った山行における天候比率は、曇天率 100%であった。

初めて行った鬼ヶ岳も、記録には残していないが笠松山も、大川入山も、そして最も馬鹿で不名誉な撤退となった蓼科山でさえも。
その全てが例外なく曇天だったのである。
例え早朝が雲ひとつない快晴だろうと、彼と一緒に登ると山頂に至る頃には決まってガスが発生する。
もはや神がかっているとしか言いようの無いそのあまりの曇天的中率に 『雲の貴公子』 という不名誉な称号を僕に与えられたという悲惨な経緯を持つ、トコトンついていない、けどどこか憎めないナイスガイである。




そんなタイ氏であるが、僕らと山には積極的に登りはするものの、山道具購入には非常に消極的だった。
過去のブログを参照していただければわかると思うが、ザックはそこらで1000円くらいで売ってそうなデイパックだし、靴はスニーカー。
服装は僕の指摘で化繊のモノは着てはいるものの、簡単なウインドブレーカーやジャンバーである。

僕はその都度彼に、本格的とはいかないまでも、ある程度登山向きの装備の購入を強く勧めてきた。
しかし彼は金銭管理のしっかりした男で、一ヶ月に使うお金の額をちゃんと決めており、よほど特別な事情でもない限り、基本的には貯金を崩すような事はしないのである。
その限られた資金の範囲内で装備を買うと言う事はなかなか容易にはいかなかったようである。
と、いうか、彼の場合一月に使うお金の大半を飲みで消費してしまうため、それが原因で万年金欠状態なのだが…

そんなわけで、僕はタイ氏を山には誘いつつも、装備購入に関しては無理強いすることなくこれまできたわけだが、山に行く度に山道具の有用性、合理性について、そしてそれとなくテント泊の楽しさや、山で泊まる事でしか見ることのできない大自然の景色やその素晴らしさについて懇々と語ることは地道に続けてきた。

そしてその結果、ようやく彼は重い腰を上げ


山道具一式の購入に踏み切ったのである。


予算は10万、そして狙うは冒頭で触れたとおりテント泊装備。
普通に考えればかなりカツカツで厳しい予算編成である。そりゃお前無理だぜと言いたいところだったが、せっかく上がった彼のモチベーションをオシャカにするのはどうしても避けたいところだった。
とりあえず必要最小限のものをそろえ、残りは僕のお古を譲ったり借用したりすることでカバーする事にした。

僕らが考えに考えて選んだ装備はまた追々紹介するとして、そんな彼を伴って行く1泊山行の目的地として、僕は仙丈ヶ岳を選んだ。
仙丈ヶ岳は今年の6月に甲斐駒と併せて登る予定が、膝を痛めたため小仙丈までで撤退する羽目になった苦い記憶が新しい山だ。
そのリベンジももちろん重要だったが、仙丈ヶ岳の登山口である北沢峠は、テント泊をするには非常にアクセスが良く、デビューにはもってこいの場所だったというのが一番の理由だ。
それに奇しくも北沢峠の北沢駒仙小屋は、僕のテント泊デビューの地でもある。


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そして8月28日(土)、僕らは南アルプス林道バスの仙流荘バス停にいた。


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これが今回揃えたタイ氏の1泊装備一式である。
資金の関係上出費を抑えるため、ザックは僕が一番最初に買った記念すべきカリマーの ridge 30 を譲る事にした。
まぁKブルーの ridge 30 を買ってしまったために出番が限りなく少なくなってしまい、押入れの肥やしになっていたという裏事情もあり、使わないくらいならと嫁に出した次第である。
テント泊用のザックとしては少々小さい部類に入るが、基本的に僕らと行く時は食料などは僕らが持つので30リットルでもギリギリどうにか収まりきる容量だった。
まぁ単独でテント泊するという事になると、多分もうワンクラス上のザックを別途購入せねば無理だろう。


それから、譲ったわけではないが、一応借用という形で僕らから流れた道具がある。
それはシュラフである。
普段僕らは冬期にはナンガのダウンシュラフ+ハイカーズデポのトップキルト(化繊シュラフ)、春秋にはダウンシュラフを単独で、そして夏期にはトップキルトを単独で使用している。
しかしそれとは別に、実は僕が高校の時に使っていた化繊のシュラフがひとつ余っていたのだ。

今では廃盤になってしまったモンベルのバロウバック#6

スペックは現在の#5と#7の中間なので、快適睡眠温度8℃前後、使用限界が0℃前後といったところだろう。
過去に夏山縦走の稜線のテント場でも問題なく使用できていたので、まぁ夏山限定ということなら問題あるまい。
季節が秋めいてくる頃にはこれ単独では少々厳しくなってくるに違いないが、とりあえず今回はこれで良しとすることにした。


とりあえずこれだけでも2万円弱の出費を浮かせる事が出来た。
まぁザックもシュラフも…ということになっていたら、恐らく10万円の予算では全て揃える事は困難だっただろう。



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そんなこんなで、北沢駒仙小屋のテント場に到着。
実に色とりどりのテントが張られている、これが本来のここのテント場の姿だ。

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僕が梅雨時に来た時はこのように、実に閑散としていた。
まぁ小屋開き前だったから当然といえば当然か…。


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今回。

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前回。

まぁ比較はさておき…ここは非常にアクセスの良いテント場である。
バス停から徒歩10分で来る事が出来るため、実質重い荷物を背負って歩く距離はたったの往復20分程度。
以前、梅雨時の仙丈、甲斐駒山行のブログでも書き、YUKAさんのブログでも紹介していただいたが、僕らはここに来る時は宿泊に必要な物、テントはもちろんのこと、シュラフやクッカー、着替えといった物は一番大きいザックに詰めて行く。
あとは日帰り装備を詰めたメインのザックを嫁が背負い、それからサブザックとそれに詰める日帰り用の装備を手提げ袋に入れていく。
山に手提げ袋などナンセンスだが、それが許されるのがここのテント場の特権だ。
そして北沢峠に到着したら、まず真っ先にテント場に行き、テントを張ってデカザックはそのままテント内にデポしていく。
そして嫁が背負ってきた日帰り用のメインザックを僕にシフトし、代わりに手提げ袋に入れてきたサブザックに、同じく手提げ袋に入れてきた日帰り装備をパッキングして、それを嫁が背負っていく。

このテント場においてのみ、これが最も効率の良い方法だと僕は考える。


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そんなわけで、1泊2日で仙丈と甲斐駒の2山を登る場合は朝一番のバスに乗り、テントを張ってさっさと登り始めるところだが…
僕らが乗ってきたバスは始発ではなく10時発のバスだった。
今回は日程の関係もあり、初日は登らず、2日目に仙丈ヶ岳のみに登る予定である。

そんなわけで全く急ぐ必要もなし、のんびりテントを設営し、テント場でのんびり羽を伸ばす事にする。
というわけでまた相変わらずのファミキャン仕様のマイテントww

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そして冒頭の写真だが、タイ氏もテント設営を完了。
あーでもないこーでもないと悪戦苦闘しながらも、自らの力で設営していた。初めてにしては上出来だろう。
そしてこれが今回彼が買ったテントだ。

モンベルのクロノスドーム2型

1型と最後まで迷ったのだが、絶対に広いほうが良いという僕のゴリ押しで2型に決まった。
まぁ結果として2型で大満足していたので良しとする。

とりあえずモンベルのテントというのは決まっていたが、ムーンライトは少々山向きではないだろうという事で却下、ステラとクロノスを比較した場合、よほど積極的に冬山や高所へ行かない限りはクロノスでも十分だろうと考えた。
山岳テントとしては同社のステラリッジとは異なり、やや耐風性に欠ける設計のクロノスドームだが、真冬の稜線やら台風のど真ん中やらで設営する事はまずないだろうということで、値段の兼ね合いもありクロノスドームで落ち着いた。
まぁ初っ端ステラリッジを購入した日には、予算の半分近くをいきなり失ってしまう計算である。
山屋としてはステラを推したいところだったが、予算に限りがある以上他に必要なモノは沢山あるのだからテントはこのあたりで十分。


そして僕が絶対に買えと念を押したのが、写真にも写っているマット。
彼は予算の関係上、銀マットでも十分だと言っていたのだが、そこは予算を割いてでも買うべきと僕が説得し、渋々マットを購入した。
結果として彼はマットの購入を僕が強く推した事に感謝する事になるのだが、それはまた後の話。


そしてそのほかに登山靴、レインウェア、その他小物をいろいろと揃え、少々予算はオーバーしたものの、おおよそ10万前後でなんとか一式揃えることが出来たのであった。


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そんなこんなで、夕方までテントや河原でのんびり時間を過ごしつつ、夕食の時間。

重量の関係で縦走ではメニューから削られたおでんと、縦走のメニューでヒットだったちらし寿司と今回初登場のサラスパだ。
市販のサラスパをさっと茹で、それに永谷園のお茶漬けを一袋入れ、マヨネーズで味を調える。
お茶漬けの種類をたらこ茶漬けやわさび茶漬け、梅干茶漬けなどにすれば味のバリエーションが出るし、マヨネーズをたらこマヨネーズにするとそれもまた美味い。
これ、案外美味しいから是非やってみて下さい(-´▽`-)


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そんなわけで、何をするでもなく、ただボケーっとのんびり時間を過ごし、初日は幕を閉じた。

明日は仙丈ヶ岳に登る。
膝痛で撤退した前回のリベンジを胸に秘め、僕はテント場から前回撤退した地点である小仙丈ヶ岳を見上げていた。
夕方になれば晴れるかと思ったが…思いの他いつまでたってもモックモクの小仙丈ヶ岳を見上げていた…

果たして僕らは無事仙丈ヶ岳のリベンジを果たす事が出来るのか!?
そして現在までの曇天率100%、雲の貴公子とまで呼ばれたタイ氏を伴った今回の山行は、果たしてどうなってしまうのか!?


仙丈ヶ岳リベンジ 後編へ続く


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by misawa_re7 | 2010-10-06 20:09 | 山行記録 2010


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