【山行記録】 夏風邪と膝痛を抱え、北アルプス 薬師岳へ 前編
今年の夏山縦走の基点となる登山口である折立に程近い山、薬師岳。
工程時間の関係上、今回の夏山縦走計画のコースから外れてしまった薬師岳を登り、かつ折立から薬師峠キャンプ場までの道中の様子を事前に視察するため、治らぬ夏風邪と未だ病状の安定しない膝痛を抱え、7月18日、僕らは折立登山口にやってきたのだが…
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2010年7月18日 天候:晴れ
折立登山口往路 (折立~三角点~五光岩ベンチ~太郎平小屋~薬師峠キャンプ場)
折立登山口復路 (薬師峠キャンプ場~薬師岳~薬師峠キャンプ場~太郎平小屋~五光岩ベンチ~三角点~折立)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




8月のお盆休みに夏山縦走に行って来た事は先日のブログで触れたとおり。
すぐにでも縦走レポに着手したいところなのだが、その前にまず7月中旬に登った薬師岳のレポを先に執筆しなければならない。
この山行の目的は上でも触れたとおり、当然ながら薬師岳登頂が1つ、夏山縦走のためのコースの下見が1つ。
そしてもう1つ重要な目的があった。


僕の膝の状態の最終確認である。


6月の仙丈ヶ岳、先日の燕岳はいずれも膝に負担をかけぬよう必要最低限の装備で登っていたのだが、実際に夏山縦走本番では、当然の事ながら20kg以上の重い荷物を背負って数日に渡って歩かなければならない。
薬師岳山行は7月18日。お盆休みの夏山縦走は8月13日からであるから、この時点で残り1ヶ月を切っており、そろそろ僕の膝の状態にも一定の判断を下さなければならない時期を迎えていた。
重い荷物に耐えうるか?連日の連続歩行に膝がもつのか??
それを見極めるためには最低限1泊分以上の荷物を担ぎ、ある程度の行程を連日歩行してみなければならない。
その意味では、この薬師岳1泊山行は夏山縦走に向けた膝の判断基準として重要な意味を持っていたのである。
果たして僕の膝は4泊5日の行程に耐えうるのだろうか??



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ちなみに、薬師岳及び雲ノ平、黒部五郎岳への入山口となる折立へ行くには、 『有峰林道』 という有料道路を通る事になる。
料金は、一度ゲートをくぐってしまえばどの区間を通行しても一律1800円。
夜間は開放されておらず、20時から6時までの間は通行することができない。
有峰林道はいくつかの線から成っているが、折立へ行く場合のルートは大きく分けて下記の4線になる。

有峰林道 小見線 【赤線】
有峰林道 小口川線 【黄線】
有峰林道 大多和線 【橙線】
有峰林道 東谷線 【桃線】

厳密に言うと有峰湖を周回する部分は南岸線や西岸線といった名称がついているようだが、紛らわしいので今回は割愛させていただく。


一般的に富山県側から入る場合は小見線、長野県、岐阜県側から入る場合は東谷線を利用する事になる。
しかし2010年7月現在、小見線は崩落よって通行禁止になっており、2010年度一杯は復旧の見込みが立たないようだ。
そのため富山県側から入山する場合、必然的に代替線である小口川線を通って折立に入る事になる。
道路自体は概ね1.5車線から1車線だが、それほど走りづらい道ではない。
しかしつづら折りが多いコースなので、地図上で見る以上に時間のかかるルートといえる。

一方、長野県、岐阜県側から入る場合、地図を見る限りは大多和線を走った方が断然早そうに見える。
しかし大多和峠までに至るルートは未舗装のダート道のようで、しかも私道につき通行禁止ということでゲートが閉じられているという情報をネットで得た。仮に通行できたとしても、あえて未舗装路を通行する必要もないだろう。
そんなわけでこちらも必然的に東谷線を通って折立に入るルートしか選択肢がないということになる。
東谷線は小口川線よりも道路の状態は良いし道幅も概ね広い。
しかし料金所のゲートに至るまでの道がなかなか長く、しかも道幅の狭いところもそれなりにある。

そんなわけで、朝6時のゲートオープンと同時によーいドンした場合、東谷線からの方が早く駐車場まで到達できそうだ。
折立の駐車場は決して狭いわけではないが、比較的入山者が多い山域なので駐車場が確保できずに路上駐車というケースも非常に多いので、駐車場を確保できるメリットは大きい。

ちなみに折立駐車場のそばにはテントスペースがあり、無料で利用する事が出来る。
だだっ広い芝生のフリースペースで、夏場は日当たりが良すぎて暑いかもしれないが、他にこれといった欠点はない。
水場もトイレも完備されており、食料は調達出来ないがコカコーラの自動販売機ならば登山口にあるのでそちらは利用できる。
有峰林道は6時にゲートオープンする関係上、どうしても折立出発が7時前後になってしまうという欠点があるが、前日のゲートが閉じる20時までに林道に入り、テントスペースで前泊することで早朝出立時間を自由に設定できるようになる。
とはいえ薬師岳は総工程時間12時間を軽く越える為、日帰り登山は現実的ではなく、早朝出立の恩恵はあまり受けられない。
むしろ雲ノ平や黒部五郎などに縦走で入山する際、初日に出来るだけ行程距離を稼ぎたいといった場合にこそ有効だと言えよう。




【AM1:00】
今回は初の山域ということもあり、いつもより少々早い時間に起床。
今回折立まで行くにあたり、どのルートを選択しようか最後まで迷っていた。
上記4つのルートのうち実質通行できるのは富山側から入る小口川線と岐阜県側から入る東谷線のみである。
長野県側から入る場合、松本インターで下車して、安房トンネルを抜けて東谷線から入るのが恐らく最短ルートになる。
しかし地図を見る限り結構な山の中を走行するようで、事前にネットで情報は収集したものの、直前に大雨が降った関係で落石などの災害が発生しているとも限らない。
なので今回は比較的利用者が多く、市街地からのアクセスが良さそうであろう小口川線を選択することにした。
(後に東谷線を通って折立入りすることになったが、こちらもそれほど悪い道ではなく、結果的には長野県側から行く場合東谷線を使った方が圧倒的に早いという結論に至った。)

最寄のインターである、北陸自動車道立山インターにて下車。一路立山方面へ。
薬師岳登山口である折立は、立山へ行く道と途中までは一緒である。


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【AM7:00】
有峰林道分岐点に到着。
ご覧のように有峰林道小見線は平成22年度末まで復旧の見込みが立たないようだ。
当然ゲートも開いていないので必然的に小口川線から折立へ向かう事になる。
道中道路の混雑状況にもよるが、ここから折立まではおよそ1時間程度を目安にしておいた方がいい。
小口川線のゲートからだと大体45分くらいか。


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【AM8:00】
折立登山口駐車場到着。
当初はゲートオープンの6時にあわせて来る予定が、1時間以上も遅くなってしまった。
そのため、三連休ということもあり駐車場は満杯。

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停める場所がないので、不本意ではあるが路上駐車をする羽目になってしまった。
ここは基本的には駐車禁止とあるが、他に停めるところが全くないので道路の両側に路駐の車が列を成しているような状態である。
幸か不幸かちょうど日陰に停める事が出来たので、日差しの強い今日のような日にはむしろありがたい。

膝の調子はさほど悪い感じは受けない。とはいえ油断は禁物だ。
出発前に接骨院で教わった腸脛靱帯のテーピングを施し、入念にマッサージとストレッチを重ねてから出発する。



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【AM8:30】
折立登山口出発。(撮影地点1にて撮影)
登山口手前には休憩所(宿泊不可)、トイレ、自動販売機がある。
自動販売機は行きにはあまり必要がないが、下山してきてすぐに下界の飲み物を飲める恩恵はデカイ。

この日はやはり連休という事もあり、人が沢山いた。
しかし大半の人が小屋泊装備で、テント泊装備の人はそれほど多くはないようだった。
薬師峠のテン場はあまり広いイメージがなく(あくまでも僕のイメージだが)テント張れなかったらどうしようと思ったが、杞憂で済みそうだ。


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登山道は整備が行き届いていて歩きやすい。(撮影地点2にて撮影)
いかにも北アルプスの森林限界下の登りといった感じで、僕が行った中では燕岳の合戦尾根に感じが似ている。
幸い僕の膝も調子がよく、痛みが出ぬまま順調に高度を稼いで行った。
しかしその反面夏風邪の調子が思わしくなく、少し歩くと咳が出て呼吸もままならない始末。
歩き始めて10分にして早くも咳止めの薬のお世話になる羽目に…。


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おおよそ出発から1時間くらいの地点に休憩地点がある。(撮影地点3にて撮影)
何故かはわからないが、ここの看板は某アニメのキャラクターであるww
本人の自己紹介によると、どうやらこの看板は4代目だそうだ。
この古さで4代目…ということは、初代から3代目はいったいいつの時代の代物になるというのだろうかww
それか、もしくは恐ろしく短命だったのかもしれない…と、まぁ全くどうでもいい想像を働かせながら一旦休憩。



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【AM10:15】
三角地点ベンチ到着。(撮影地点5にて撮影)
「三角点」 という情緒のかけらもない名称のピークに到達すると、一気に視界が開ける。なかなかに素晴らしい展望だ!
ここにはベンチがあり、多くの人が休憩をとっていた。

ちなみにここから先、太郎平小屋までは一定の間隔で休憩用のベンチが数多く設けられているので、特定のベンチが混雑していた場合、少し先まで進んで休憩するというのもアリだ。

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ご覧のように、晴れていればこの場所からは剱、立山方面も綺麗に見える!
ここから先に登っていくと山の陰に隠れてしまい、しばらく見ることができなくなるので目に焼き付けておくと良い。



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三角点を過ぎると木道や石畳の整備された道が現れ始める。(撮影地点6付近にて撮影)
このように区分けされているのは植生を荒らさないための処置だと思われるが、ご覧のように登山道以外にも道が出来てしまっている。
石ゴロで歩きづらいのはわかるが、だからといって登山道を外れて歩くのはマナー違反だと思うのだが…。
人が多く混雑している箇所では、登山道から外れて追い抜いていく人もちらほら見受けられた。
皆が皆そうではないし、そうと気付かずに歩いてしまう人も中にはいるので一概には言えないが、登山者が多ければ多いほどそういったシーンを目にする機会も必然的に多くなる。
故に、個人的にはやはり人の多い山域は苦手だ…。


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登山道脇にニッコウキスゲが群生していた。ちょうど満開の時期だったようで凄く綺麗だった!

よくよく考えたらここ数ヶ月、まともな天候、まともな状態で登った山が全然なかったことに気付く。
やっぱり山は晴れた日に、良好な体調で登るに限る。
快晴の空に満開の花、久しく忘れていた極上のトレイルを満喫しながら一歩一歩歩く。しかし、幸せな時間はそう長くは続かなかった…。



ここで奴が来てしまったのだ。



奴とは言うまでもなく僕の膝痛である。
まだ登り始めてたったの2時間弱…。前回の燕岳でも4時間はもったというのに。
あれからケアもしているし休養もしている。最低でも太郎平小屋まではもつだろうと予想していただけに、こんなところで早々と痛みが発症するとは全くの予定外だった。
まだ登り行程の半ば、コースタイムでもあと3時間弱は登らねばならない計算になる。

この時点で 『撤退』 の二文字が頭を掠めた。

だがしかし、僕はすぐさまそれを振り払った。
わざわざ遠くからテントと食料を担いでやってきて僕はまだ何もしていない。快晴の下、山と空と花を眺めて満足して帰る?冗談じゃない!
もしかしたら明日の薬師岳は無理かもしれない…しかし最低でも太郎平まで行かねば悔いしか残らない。
僕は山行の続行を決断した。


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このあたりは有峰湖も綺麗に見える。(撮影地点6付近にて撮影)
普段山に登ってしまうと下界の景色には全く興味がないが、たまにはいいもんだと思う。


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整備された石畳の道は非常に歩きやすい。(撮影地点7手前にて撮影)
はずなのだが…膝痛を発症した僕にとってはどんな道だろうと等しく苦痛である。
とにかく全てのベンチで休み、患部ををマッサージして痛みを和らげながら登る。それの繰り返し。
マッサージをしてやるとしばらくは痛みが引くが、やがてすぐに痛みはぶり返す。
徐々に痛みの間隔が狭まってきて、歩きながらマッサージしないと追いつかない状況にまで追いやられていた。



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【PM0:10】
五光岩ベンチ到着。(撮影地点7にて撮影)
ここまでくれば残りは1時間と少し、先が見えた。
痛みは相変わらず引く気配がないが、しかしここから下山するくらいならもう太郎平まで行って膝を休ませた方がはるかに合理的だ。

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憎たらしいくらいに美しい薬師岳、果たして明日登れるのだろうか??
のんびりベンチに座り、薬師岳を見ながら膝のマッサージを続けていると突然。

「ブログやってますよね??」

と見ず知らずの方に声を掛けられた。
どうやら以前書いた山女子ファッションのブログを読んでいただいたようで、嫁がまんまの格好だったもんだからすぐにわかったそうだww
思えばブログを書き始めてから、初めて山で声を掛けていただいた。
嬉しさのあまり膝の痛みも吹っ飛んだ!後は太郎平まで一踏ん張り、頑張って登るのみ!




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薬師岳~太郎平、太郎山への稜線のパノラマ。




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【PM1:30】
膝の痛みに泣きそうになりながらも、なんとか太郎平小屋へ到着!!
あの丘を越えれば、薬師岳、水晶、鷲羽、黒部五郎を見渡す大展望が待っている…のだが。
文面の関係上、ブログが長すぎて蹴られてしまったので、ここからの続きは後編にて書かせていただきますσ(´∀`;)


コースタイムは以下。

【AM 1:00】 起床
【AM 2:30】 自宅出発
【AM 7:00】 有峰林道分岐到着
【AM 7:15】 有峰林道 小口川線料金所通過
【AM 8:00】 折立駐車場到着
【AM 8:30】 折立登山口出発
【AM 9:05】 小休止
【AM 9:10】 発
【AM 9:32】 中間看板休憩地点到着
【AM 9:40】 発
【AM10:15】 三角点ベンチ到着
【AM10:30】 発

【PM 0:10】 五光岩ベンチ到着
【PM 0:25】 発
【PM 1:30】 太郎平小屋到着


総評

途中から膝痛を抱え、各ベンチで全て休憩をとりながら登ったにも関わらず概ねコースタイムどおりに登れたという事は、健脚な方や小屋泊装備の方ならば30分~1時間程度は短縮できるコースかもしれない。
前半、三角点までは樹林帯の登りで、三角点以降は一気に開ける。
しかし三角点から2,3個ベンチを過ぎるまではあまり風の通りがよくないので、日差しの強さと相まって真夏は少々辛い。
水分補給をこまめにするように注意した方がいいかもしれない。

三角点以降は木道や石畳の整備された登山道が多く非常に歩きやすい。
登るに従って徐々に風通しもよくなるので、景色を堪能しながら気持ちよく歩く事が出来る、個人的には好きな登山道10指には入りそうなコースである。
特に五光岩ベンチから太郎平までは傾斜も緩やかになり、心地よいトレイルが満喫できる。


早々と膝痛を発症してしまった今回の薬師岳山行…。
果たして僕らは薬師岳登頂を果たす事が出来たのだろうか??

北アルプス 薬師岳へ 後編へ続く


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by misawa_re7 | 2010-08-26 18:32 | 山行記録 2010


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