【山行記録】 梅雨の3000m峰へ 甲斐駒ヶ岳 前編
2010年6月20日~21日に1泊2日で行ってきた、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳。
3000m級山岳であり、百名山でもある2峰の内、初日に狙ったのは甲斐駒ヶ岳の頂だった。
果たして僕らは甲斐駒ヶ岳のピークを踏む事ができただろうか…!?
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甲斐駒ヶ岳 (かいこまがたけ・ひがしこまがたけ) 【標高2967m】

甲斐駒ヶ岳は南アルプス北部に位置する先鋭峰だ。
標高こそ3000mにあと一歩及ばないが、重厚な南アルプスの山々の中にあって、特異に際立ったピラミダルな山容と、花崗岩から成る雪山のように白く美しい山肌は、多くの人を惹きつけてやまない。
国内に数多くある駒ヶ岳と名のつく山の中でも、ここ甲斐駒ヶ岳は最も有名かつ人気のある山といっても過言ではない。
長野県側の麓である下伊那では昔から、伊那谷を挟んで西側にある木曽駒ヶ岳を 『西駒』 、甲斐駒ヶ岳を 『東駒』 と呼ぶ。
ちなみに、数ある南アルプスの山の中でも、花崗岩から形成されている山は甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山のみ。
突如沸いた突然変異が如く、南アルプス山系においては異色の存在だが、それが故にその堂々とした姿は神秘的ですらある。
百名山のうちの1峰。

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2010年6月20日 天候:曇り
双子山経由往路(北沢駒仙小屋~北沢峠~双児山~駒津峰~六方石~甲斐駒ヶ岳山頂)
仙水峠経由復路(甲斐駒ヶ岳山頂~摩利支天~六方石~駒津峰~仙水峠~仙水小屋~北沢駒仙小屋)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




先日のブログでも触れたとおり、僕らは20日、21日と甲斐駒、仙丈へ行ってきた。
当初の週間予報では雨は避けられない見込みで、梅雨の真っ只中なのだからそれも仕方ないと諦めていた。
しかし出発当日、空模様を見る限りそれほど天候が荒れるようには見えなかった。

これはもしかしたら…

晴れを期待しないまでも、多少なりとも展望に希望が出てきた。
遠くの山は見えなくてもいい、今回登る甲斐駒、仙丈のいずれかが、どこかのタイミングで展望できればそれで十分。
今回全くカメラの出番は無いと思っていただけに、もしかしたら少しでもいい写真が撮れるかもしれない。
今回は雨の3000mを体験するのが目的…とは言ってみても、やはり天気が少しでも良いに越した事はないというのが本音だ。
そんなわけで予定外の空模様に欲が出た今回の山行、果たしてどんな結末を迎えるのか?




【AM2:30】
起床。
前日のうちに大体パッキングは済ませてあったので、準備にはそれほど時間はかからない。

今回は50リッターのザックに寝具類とテントを、30リッターのザックに僕の日帰り装備をパッキング。
後は大きな手提げ袋に晩飯の食材を入れ、嫁の日帰り装備と25リッターのザックもたたんで手提げ袋の中に入れて持ち込む事にした。
何故このようなラインナップなのかというと、北沢峠までバスで入り、そこからテント場である北沢駒仙小屋までは徒歩で10分弱。
朝一番でテント場に入り、テントを設営してしまえば大方の荷物はテントに置いていける。
50リッターのザックには寝具類が入っているのでそのままテント内にデポし、僕の日帰り用の30リッターのザックと、手提げの中に入れてきた25リッターのザックに嫁の日帰り装備をパッキングしそれらを背負っていく。
食材などは手提げに入れたままテントにデポだ。

普段の山行では手提げ袋などNGだが、このようにテン場までのアクセスが恐ろしく良い場所では有効な手段である。




【AM4:00】
自宅を出発。
朝モヤが酷く天候の判断が難しいが、朝方低い位置でモヤが発生している時は比較的天気は悪くない気がする。
所々空が見えている場所もあり、それほど悪天候というわけではなさそうだ。


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【AM5:25】
仙流荘到着。
朝一番のバスに乗る人たちだろうか?それとも前日からの宿泊者だろうか?結構な数の車がある。
天候はご覧の通り、雲は多いようだが空は明るい。
ここ仙流荘は地図ではわかりづらいところだが、道中案内看板がデカデカといくつもあったので道に迷う事はなかった。


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南アルプス林道バス停はこのようになっている。
奥にあるのが仙流荘、宿泊施設はもちろんのこと、日帰り入浴施設もある。下山してきた時に利用するといいかもしれない。


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ちなみに基本的な知識だが、南アルプス林道をここ仙流荘から北沢峠まで入るにはバスを利用するしかない。
なぜならばこの先戸台大橋より先はマイカー乗り入れが禁止されているからだ。
というより、南アルプス林道という道は基本的にマイカーの乗り入れはできない。
料金はここから北沢峠まで1100円、それプラス我々山屋は手荷物が大きいので手荷物料金を200円取られる。往復で2600円だ。

そんなわけでここから北沢峠までの1時間、バスの旅ということになる。
始発という事もあり、平日にしてはそれなりに人が多く、バスは満車になった。
まぁピークともなればとてもバス1台ではとても乗り切れず、バスの便は何台も増発されることになるのだが。




【AM6:05】
バス停を出発。
道中、切り立った渓谷の上を林道が走っているためものすごく高度感があり、景色も圧巻だ。
途中鋸岳や甲斐駒が見えるポイントもあったのだが、手荷物が多くてカメラが出せず撮影はできなかった。
撮影したい方は事前にカメラを用意し、バスの左側の席に乗るといい。


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【AM7:00】
北沢峠到着。(撮影地点1にて撮影)
目の前に見えているのが長衛荘だ。
昨年の10月、紅葉の時期にここ長衛荘に泊まり、仙丈ヶ岳に登ろうと思ったのだが、半月前の予約にも関わらず満員で予約できなかった。
ピーク時の土日は一ヶ月以上前に予約を入れておかないと予約が取れないこともある、人気の小屋だ。

ここから山梨県側に林道を下り、川沿いの道に下りた所にテント場である北沢駒仙小屋がある。


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奥が北沢駒仙小屋、手前の広場がテント場だ。(撮影地点2にて撮影)
ご覧の通り、先客のテントが1張りあるだけで、あとはガラガラである。奇遇にも、僕らと同じステラリッジ3だww

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下の方もガラガラだ。
ピークともなればここには色とりどりのテントの花が所狭しと咲くのだが…
過去ここには3度訪れたが、こんな閑散としたここの景色は初めて見る。
やはり梅雨時、わざわざ雨が降るとわかっているのにテント泊しようというドMはそう多くは無いということだろうww

始発のバスに乗ってきた僕らよりも先にこのテントが設営してあったことを考えると、前日か前々日入りした人のテントだろう。
他に誰一人テントを設営する様子もないし、このテントの主も恐らくは今日中には下山するだろう。
このだだっ広いテン場に、今晩は僕らのテント1張りということになりそうだ。


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あまりもたもたしている時間はない。午後になればなるほど天候が崩れる可能性は高くなるのだ。
さくっとテント設営をして、甲斐駒に登る準備に取り掛かった。
ちなみに、僕らは全く気付いていなかったのだが、実はこの時点で既に


致命的なミスをひとつ犯していた。


普段の僕ならばまずありえないミスなのだが…
この事が1峰を撤退せざるをえなくなった要因として、後々僕らに暗い影を落とす事になる。



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【AM8:10】
テントに荷物をデポし、北沢峠登山口へ。(撮影地点1にて撮影)
ここ北沢峠は甲斐駒と仙丈両方の登山口になっている。甲斐駒ヶ岳方面へは長衛荘の脇を通って行くことになる。



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双児山経由のルートは、まず双児山への直登で一気に高度を稼ぐ。(撮影地点3にて撮影)



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最初の斜面を登りきり、稜線に出ると少し開けて、木々の間から景色が見えるようになってくる。(撮影地点4にて撮影)
北側の斜面からは涼しい風が吹き抜けてくる。
梅雨特有の湿気ムンムンの樹林帯とは打って変わって、ようやく快適に歩けるようになった。


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木々の切れ間から僕の大好きな仙丈ヶ岳が見えた!!(撮影地点5にて撮影)

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こちら側からの仙丈ヶ岳は麓から見ることができない角度だ。
他の山から何度か仙丈は見てきたが、この角度から、これほど至近で見たのは山岳部時代から数えて、実に10年ぶりになる!
10年来の友と再会したような気分だ…感慨もひとしおである。

長野県側の麓から見る限り、残雪は全く見受けられないのだが…さすがにこちら側は藪沢カール、小仙丈カール、大仙丈カールの3つのカールを有するだけあってまだまだ残雪は消えそうにない。(まぁ見えているのは藪沢カールだけだけど)
まぁこうして見る限り、登山道には残雪は残ってなさそうだ。
明日あそこに登れると思うと胸が高鳴るが、とりあえず今日は甲斐駒ヶ岳に集中する事にする。


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開けた登山道は明るくて気持ちがいい。



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樹林帯の間を縫って、時々差す日の光は幻想的だ。



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双児山直下、森林限界より上に出て一気に視界が開ける。(撮影地点6にて撮影)
仙丈をバックに稜線歩き、ここ双児山ルートの醍醐味とも言えるシチュエーションだ!
特に仙丈好きの僕にとってはたまらないシチュエーションである。


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【AM9:30】
双児山山頂到着。(撮影地点7にて撮影)
展望はここから一段下がった場所の方が開けていて良いので、休憩はそちらにて。


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ここの稜線からの展望が素晴らしいのは何も仙丈ヶ岳だけではない!
北岳、間ノ岳もばっちり見える。中央が北岳、右が間ノ岳だ。
北岳は、見る角度によって全く性格の変わる面白い山だが、このほぼ真北の角度から見る北岳は絵に描いたような美しいピラミッドピークだ。
僕はこの角度から見る北岳が大好きである。

ちなみに右の更に奥のほうに塩見岳も見えていたのだが、撮影した時にはガスって見えなくなってしまった。


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近場に目を移すと早川尾根だ。
右手前から栗沢山、アサヨ峰、そして左奥が鳳凰三山だ。地蔵岳のオベリスクもちょこんと見えている。

しかし曇りの予報だったから展望は全く期待してなかったのだが…何のことはないしっかり見えるじゃないか。
まぁ絶好の展望とはとても言えないけれど、これだけ見えれば十分過ぎる。これ以上を望むのは贅沢というものだろう。



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さて、双児山を越えたあたりからついに大本命の甲斐駒ヶ岳が姿を現し始める!(撮影地点8にて撮影)
手前に見える駒津峰に行くには、まず一旦下ってから再び登り返す必要がある。


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駒津峰への登り返しの途中、あれほど綺麗に見えていた仙丈に一気にガスが立ち昇ってきた。(撮影地点9にて撮影)
やはりこの天候、そう長くはもってはくれないようだ…。
あちら側がああなのだから、こちら側もいつガスが発生してもおかしくはない。
名残惜しいが仙丈に別れを告げ、一路甲斐駒ヶ岳への歩を速めるとする。


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双児山を過ぎた辺りから徐々に道がガレてくる。(撮影地点9にて撮影)
駒津峰に近づくに従い、徐々に岩の大きさも大きくなっていく感じだ。


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【AM10:15】
駒津峰到着。(撮影地点10にて撮影)

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ここ駒津峰は、甲斐駒ヶ岳の最強の展望地だ!
甲斐駒ヶ岳を綺麗に見える山は数多くあれど、どう転んでも前衛峰であるここ駒津峰に敵う道理はない!
岩の一つ一つまで見える、まさに至近距離。
僕は甲斐駒ヶ岳という山にはそれほど思い入れがないのだけど、この場所に立つとあまりの甲斐駒ヶ岳の美しさに惚れ惚れしてしまう。
なるほど、皆が口をそろえて甲斐駒ヶ岳を推す理由が、今ならわかる気がする。


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ここ駒津峰から甲斐駒ヶ岳山頂までのコースタイムは、およそ1時間30分。
もう目と鼻の先、手を伸ばせば届きそうなくらい近い位置にいる。
危惧していた天候も、この分ならばなんとか下山するくらいまではもってくれそうに思えた。
体調も万全だ、障害は何一つない、不安材料もない、いける!!

さぁ、果たして僕らは甲斐駒ヶ岳の山頂を踏む事ができたのだろうか??


梅雨の3000m峰へ 甲斐駒ヶ岳 後編へ続く


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by misawa_re7 | 2010-06-24 20:16 | 山行記録 2010


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