【道 具】 マット考察 リッジレストDX モンベルU.Lコンフォートシステムパッド
先月の北八ヶ岳雪中テント泊のために用意した寝具類は、大きく分けて3種類。
シュラフアウターシュラフ、そして今回紹介するマットである。
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テント泊において必要なものといえば、テントはもちろんのこと、就寝に必要な寝具も欠かすことができない重要な道具だ。
寝具の中でもとりわけ重要性が高いのはもちろんシュラフである。
日常生活で言えば、いわば布団の代替品であるシュラフには、宿泊山行において最も必要な体力の回復を担う重要な役目があるからだ。

しかし、冬期のテント泊において、その重要性を急激に増す道具がある。


それはマットである。


僕は高校山岳部時代、ホームセンターでも売っているようなペラペラの銀ロールマットを使用していた。
縦走や部の大会など、実に3年もの間ボロボロになるまで使った。
夏山においてマットの役割は、主に寝床の底面の凹凸を緩和し、快適な寝心地を確保することにある。
うちの山岳部は、基本的に冬山へは行かない方針だったので、それでも全く不便しなかった。

しかし、雪中テント泊をするにあたり、色々と調べていくうちに、どうやらマットには寝心地を確保するだけではなく、もっと重要な役割を持つことを知ることになった。


断熱である。


例えば、シュラフはどれほど高性能であっても、構造上どうしても背面部はロフトが潰れてしまい、十分な保温性を発揮することができない。
つまり強引な言い方をすればシュラフは掛け布団的な役割をする道具なのだ。
それに対して、マットはいわば敷布団である。
いかに最高級の羽毛布団を掛けて寝ようとも、寝ている場所が冷えたフローリングの床の上では全く意味を成さないように、冬期のテント泊においてマットを使用せずに寝るということは、背中に氷の塊を押し付けながら寝るに等しい行為だ。
気温の高い夏ならばそれもよかろうが、冬期においては床からの冷気を遮断するということは、場合によっては生命をも左右するほど重要な事柄であると言えるのである。
そしてマットについて色々と調べていくうちに、断熱性能を表す数値が存在することを知ることになる。

それはR値 (熱抵抗値) といい、その素材がどれだけ熱を透過させにくいかを表す数値である。
マットの場合、人体から床へどれだけ熱が逃げないかを表す指標となる。
R値は大きければ大きいほど熱が逃げづらく、断熱材として優秀であると言える。

しかし、もともとR値は住宅用断熱素材の性能を表す数値として用いられることが多く、登山用マットとして用いられる例はそう多くない。
なので、雪山にどの程度のR値が必要なのかという基準が非常に曖昧だった。
ネットで調べてもなかなか絞り込むことができなかったのだが、雪山ならばR値5.0程度を目安という意見がいくつかあったので、僕もそれを基準にマット選びをすることにした。




まず、僕の頭の中にあったマットの基本構成は…

テント用銀マット + ウレタン系ロールマット + インフレータブルマット


テント用銀マットは就寝時だけでなく、テント内での快適性も左右するため必須と考えた。
収納スペースの関係上、1mmか2mm厚程度のマットしか選択の余地がなく、R値で言えば非常に微々たるものだったが、ないよりは絶対にあったほうがいいと僕は確信していた。
できればテントの床面積とベストマッチするマットが欲しかったのだが、ステラリッジ3の床面積とちょうど合うものはほとんどなかった。
しかし、なんとか適合するサイズのマットを見つけ出し、購入した。


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NorthEagle(ノースイーグル) あったかシート【180X240】

ステラリッジ3の床面寸法は180×210なので、30cmほどカットすればちょうど良いサイズになる。
自宅で実際にテントを張って敷いてみたが、文句なくジャストサイズである。
収納性も、ザックの内壁に合わせればなんとか問題なく収納できる範囲であった。

R値の話をすると、銀マットの素材だと計算上0.3程度のようだ。
表面に蒸着してあるアルミの熱反射も計算に入れるとR値0.5~1くらいに相当するのではなかろうか?あくまでも僕の推測ではあるが。
とりあえず便宜上、テント用銀マットのR値0.5と仮定しておく。




続いてウレタン系ロールマットの選定に入ることにした。
僕がこの中間のマットに求めるのは安定した断熱性と、そう簡単には破損しない耐久性だった。
例えばエアマットとインフレータブルマットを組み合わせるという案も僕の中にはあったのだ。しかしどちらもパンクの恐れがある。
仮に両方同時にパンクしてしまったら?
そう考えると、手持ちのマットのうち最低ひとつは強固な耐久性と、単独でも何とか耐えうるだけの断熱性は必要だった。
そうなると自ずとこのカテゴリーに白羽の矢が立つことになる。

候補として上がっていたのが、銀ロールマット Zレスト リッジレストの3つであった。

収納性は左から順番に秀でており、逆に断熱性は右から順に高い。
R値は銀マットはわからないが、Zレストが2.2、リッジレストが2.6である。
ここから組み合わせるインフレータブルマットのR値は平均2以上あるため、このマットのR値は2.5程度あれば十分ということになる。
それでもできる限り高いに越したことはない。


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そんな折に浮上したのが、リッジレストデラックスだった。

リッジレスト (緑) を登山用とするならば、リッジレストDX (青) はキャンプ用の位置づけになる。
R値は3.1で、リッジレストよりも0.5高い。その代わり厚みが1.5cmから2cmになり、収納サイズもそれに比例して大きくなる。
しかし、どうせザックの外にくくりつけるのだから、そこで数cm大きくなったところで大した差はない。
その程度の差でR値0.5上がるならば安いものである。

リッジレストDXのR値3.1で、銀マットの推定値と足して約3.6ということになる。
まだ目標値の5に達するには少し足りないが、インフレータブルマットを残した状態であと1.4なのだから、余裕だろう。





そして最後がインフレータブルマットである。
これはエアマットとウレタンマットの中間に位置し、空気の入るウレタンマットという感覚だ。
収納性、断熱性、耐久性をバランスよく兼ね備えた優等生であり、登山用マットの主力となりつつある道具である。

各社から色々なインフレータブルマットが発売されている。
しかし、僕は最初からモンベルのU.Lコンフォートシステムパッドに決めていた。

決め手はごく単純なことだ。


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この商品は写真のように同社のU.Lコンフォートシステムピローと連結することができ、一度連結してしまえば
決して枕がズレないというメリットがある。

ザックを枕にして寝る人や、そもそも枕を必要としない人にはそれほどメリットはないかもしれないが。
僕のように着替えなどを袋詰めにして枕にしていた人からすると、枕がズレるという事象はほぼ日常茶飯事であり、それが安眠を妨げるということを身をもって体験しているのだ。
故に、このシステムは僕にとっては目からうろこであり、これに決定するに十分に足る理由だった。

当初の予定では、U.Lコンフォートシステムピロー+U.Lコンフォートシステムパッド150にするつもりだった。
しかし直前になってU.Lコンフォートシステムパッド150の在庫がないことが判明。
モンベルにも在庫がなく、しかも4月にならないと再生産しないという予定外の事態に陥っていた。これにはさすがに参った…
仕方がないのでモンベルショップにてU.Lコンフォートシステムパッドの120を購入し、足りない30cmは同商品の30で補うことにした。
つまり、上の写真の通り、システムピロー+システムパッド120+システムパッド30の3段式になってしまったのである。


ちなみにモンベルにはR値の表記がないのだが、サーマレストのプロライトがほぼ同様のスペックである。
多少の性能の差はあるとは思うが、同等と判断すると、U.Lコンフォートシステムパッドは厚さ2.5mmでR値2.2。
ちなみに僕はそれよりも更に厚い、厚さ3.8mmのU.Lコンフォートシステムパッド キャンプを購入した。
これもプロライトプラスがほぼ同スペックと推測すると、R値3.8になる。
これに今までのR値3.1を足すと…合計R値6.9である。



あくまでも推測値ではあるが、僕のマットのR値は7前後という結論になった。



R値5を基準値とするとだいぶオーバースペックだが、高すぎたところで快適性を損なうわけではないのだから問題はないだろう。
むしろ多い分には歓迎すべきところである。
しかしこれだけマットを重ねてR値をかき集めても、EXPED Down Mat 9 一枚のR値8.0に及ばないというのだから、ダウンマット恐るべしである。




これで、僕が北八ヶ岳の雪中テント泊に向けて購入した寝具一式の紹介は終了である。
ようやく、フィールドテストのブログを執筆することができる…(;´Д`)
というわけで、また後日白駒池と北八ヶ岳縦走の時の寝具のインプレッションのブログをアップしたいと思う。
役に立つかどうかはわからないが、冬期の寝具等で悩んでいる人には体験談のひとつとして何かしら参考にはなるのではないかと思う。
その時はまた是非読んでいただけると幸いである(*´∀`*)


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by misawa_re7 | 2010-04-07 00:01 | 道 具 | Comments(4)
Commented by ようよう at 2010-04-07 20:48 x
やっぱりEXPEDの性能は高いんですね。
今回海外通販をした時に、最後までDownMat7を購入するか否か迷いましたよ・・・。

ただ手持ちでリッジ&Zレストのレギュラーサイズは持っているので、
来冬シーズンまでは我慢しよう、ということで今回の購入は見送りました。

あ、そういえば私のブログにリンク貼らせてもらってもいいでしょうか?
ブログ開設以来、リンクという存在をすっかり忘れてましたw
Commented by misawa_re7 at 2010-04-08 07:51
>ようようさん

DownMat7でR値5.9ですから、理論上はダウンマット一枚で雪上泊いける計算ですね。
あとはお財布との相談になりますなww
しかしエアマット系はパンクが怖いので、どうも躊躇してしまいますね…
ウレタン系はまず破損することはありませんけど収納性が悪いですからねぇ…悩ましいところです。

リンクOKですよ、是非お願いします(*´∀`*)
僕もリンクの項目作ったらリンクさせて頂きますね♪
Commented by おせっかい at 2011-06-09 17:16 x
× インサレータブル
○ インフレータブル
Commented by misawa_re7 at 2011-06-30 23:35
>おせっかいさん

ご指摘ありがとうございます!訂正しておきました(。・_・。)


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