【道 具】 Hiker's Depot 〔ハイカーズデポ〕 トップキルト
先月、北八ヶ岳の雪中テント泊へ行くにあたり、シュラフを検討したのは先日のブログで書いたとおり。
その際、僕は冬期には無謀とも思えるダウン量300gのシュラフを選択している。
しかしそこには僕なりの目算があった。それこそがトップキルトの存在である。
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シュラフ選びに際し、ブランドも散々悩んだが、それと平行して僕が最後までずっと悩んでいたのがそのダウン量だった。
冬期~厳冬期の使用を視野に入れた場合、500~700g程度のダウン量のシュラフが望ましい。
しかし、そこまでのダウン量のシュラフとなると、半ば冬期専用シュラフになってしまう。
特に暑がりな僕のことだから夏場はもちろんのこと、場合によっては春や秋に使うにも暑すぎて使える時期がさらに限られるかもしれない。
それならそれで、別途3シーズン用シュラフを購入して冬期とその他で使い分ければいいのだが…。

そんな考えとは裏腹に、僕はあわよくば1つのシュラフで4シーズンいけないだろうかと考えていた。
しかし、真夏と真冬を同じシュラフで快適に過ごすなど、到底無理な話である。普通に考えれば不可能な話だ。
だが待て、厚いシュラフで夏を過ごすことは出来ないが、逆に薄い3シーズン用のシュラフにダウンを着こんでインナーシーツやシュラフカバーを駆使すれば冬を越すことが出来るのではないか?
そうすれば1つのシュラフ+αで4シーズン全てカバーできるかもしれない。
そう発送転換した僕は、まずシュラフよりもシュラフを補助するアイテムを探すことにしたのだ。




単純にシュラフの保温力を上げるには以下の方法がある。

1. 服を着込む。

2. インナーシュラフやシーツなどを内側に追加する。

3. シュラフカバーなどを外側に追加する。


1は手持ちのダウンやフリースですぐにでも実践可能だった。
2はインナーダウンシュラフの購入も考えたが、この時点で既にシルクのシーツを購入していたため、これ以上シュラフ内にゴタゴタ物を増やしたくなかったし、対費用効果が望めないと判断したため却下した。

よって、この中で僕が目をつけたのは3の方法だった。要するに理論上はこうである。

夏期:アウターカバー+シーツ
春秋:シュラフ+シーツ
冬期:アウターカバー+シュラフ+シーツ

こうすれば、3シーズン用シュラフと、アウターカバー、シーツの3点セットでオールシーズンいけるではないか。
細かい温度の微調整はクロージングで調整すれば問題ない。
と、いうことで、僕はシュラフのアウターに的を絞り、検討することにした。




シュラフのアウターといえばまず真っ先に思い浮かぶのはシュラフカバーである。
ゴアテックス、ウェザーテック、ブリーズドライテックなど、多様な素材のシュラフカバーが各社から発売されている。
しかしいずれにも共通して言える事がある。それは…


保温性がないということ。


本来シュラフカバーはシュラフを水などから守り、シュラフ内を快適に保つための道具だ。
だから、防水透湿性に優れていればいいのであって、基本的に保温性は求められていない。
しかし僕の場合、3シーズンシュラフに越冬能力を持たせようというのだから、アウターには相応の保温性能が求められる。
確かにナイロンの層が一枚増えるのだから多少シュラフ内の温度は上がるだろうが、僕が必要としているほどには上がるまい。

それに僕の想定でいくと、夏場はシュラフカバー+シーツで寝ることになるわけだが…
夏の低山ならいざ知らず、3000m級の山岳の稜線のテン場を想定した場合、ペラペラのカバーとシーツで耐えうるものなのか??
夏場なのにフリースやダウンを着こんでペラペラの寝床で寝るのも馬鹿らしい話である。

確かに防水透湿性に重きを置くならシュラフカバー以外の選択肢はないが、こと保温性にも重点を置かなければならないとなると話が違う。
それに、シュラフカバーは案外高い。保温性を考えた上で対費用効果を考えると、ちょっと厳しい。
以上の理由で、シュラフカバーの採用は見送った。




そこで考えたのが化繊シュラフとの併用である。

化繊シュラフとの併用ならば保温性は十分期待できる。
それに水に濡れてしまえば性能低下著しいダウンと違い、化繊は湿気に強く、濡れても保温性を失いにくい。
しかし化繊シュラフ採用にあたって問題点があった。それは

重量と体積

化繊シュラフはダウンシュラフに比べて重量も重いし、ダウンほどに圧縮できない。
ただでさえ道具が多くて重量も増す冬期において、できるだけ無駄な重量増は避けたいところだ。
全ての条件を満たす道具などそうはないとはわかっていても、さて困ってしまった…。


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そんな折、ネットを徘徊していて発見したのがHiker's Depotのトップキルトである。

平均重量約440gと、化繊シュラフの中では極軽量の部類に入る。
それもそのはず、このトップキルトが採用しているキルト形状は、大胆にも首より上のフード部分と背面部を省略。
ジッパーまでも省き、徹底して軽量化を図っている。
それで保温性が確保できるのかと考えてしまいがちだが、そもそも我々は普段家で寝ている時首から上を覆ってなどいないわけだし、どのみち背面部は自重で潰れてロフトを失ってしまい、保温性など大して期待できないのだから、その役目はマットに任せてしまえばよい。
必要のない部分は潔くばっさりカットしてしまって、軽量化してしまえばよいという実に理に適った思想に基づいて作られている。
そのおかげで、僕が山岳部時代に使っていた3シーズン用化繊シュラフの、実に半分以下の重量なのは驚きだ。
基本スペックは本家の商品紹介サイトを見てもらえば一目瞭然なのだが、一応僕なりに簡単にまとめてみることにする。


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総重量平均435g(実測値) カタログスペック440g

形状は上記のように背面がパックリ開いておりスナップボタンのみで固定する仕様になっている。
背面部分の保温はマットに任せ、軽量化の為完全に割り切った形だ。
首周りのドローコードを絞れば十分に保温性は確保できる。

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背面部の開きはゴムコードや紐などで絞ってやればそれなりに締まる。
しかし原則的にスナップボタンと背面の絞りの2点締めなので、シュラフごと寝返りを打ってしまうと背面から多少は冷気が入り込みそうだ。



基本的にトップキルトはナンガのOEMなので、生地や中綿などの基本スペックはナンガのシュラフに順ずる。

表生地はナンガスウェルバックと同じ生地である東洋紡の20Dnlシルファインを使用。そこに撥水加工であるシレ加工を施してある。
当初はナンガナノバックに代表される撥水加工であるNANO-tex加工の案もあったようだが、NANO-tex加工には30Dnl以上の厚みが必要な為、軽量化を重視し、シレ加工を採用したようだ。
シレ加工の撥水能力はNANO-tex加工と遜色ないようだが、シレ加工はNANO-tex加工と違い、永続的な効果は期待できないため、洗濯などによる機能低下は多少あると思われる。

それだけの撥水性能があるなら、夏場のメインシュラフとして単独でも使用できそうだし、冬場のアウターとしても、シュラフカバーの代替品の役割を完璧とまではいかずともなんとか果たしてくれそうである。
そもそも中綿が化繊なのだから、濡れに対するシビアさはダウンよりも格段に低い。
多少濡れても中のシュラフや自分の身体に届かなければ問題ない。



中綿は東洋紡のシュレープを170g詰め込んでいる。想定適応温度は8℃。
3000m級の稜線下では少々心許ないが、インナーシーツとクロージングの調整で解決できる範囲だ。
逆に暑い分には掛け布団のように上から羽織って寝るだけで良い。

なお、アウターとして化繊シュラフを使う方式は結露対策にも効果があるようだ。
外気とシュラフ内温度との差を、化繊シュラフが穏やかにするため、結露の発生を抑制し、また結露が発生してもその湿気を化繊シュラフ側に吸わせる事で、ダウンシュラフが濡れるのを防いでくれるというもの。
下手なシュラフカバーよりも、結露に対しては効果があるようだ。
実際冬場のテント泊を体験していなかった僕にとっては結露の話はチンプンカンプンだったが…



このトップキルトは企画の段階からアウターとしての使用も視野に入れているようで、冬期のテント泊を想定したテストも行われている。
それによると、-6℃対応のシュラフとトップキルトを併用した場合、-12℃程度まで対応温度を引き下げることができるようだ。
本家のサイトによると、‐15℃程度までを使用の目安としている。

ちなみに‐6℃対応というと、僕が購入したナノバック300SPDXがおおよそそれに該当する。
それが‐12℃~-15℃まで対応できるようになる。
更に僕がかなりの暑がりであることを考慮してそれに‐3℃、ダウンやフリースをありったけ着こんで更に‐2℃。
机上の空論ではあるが、外気温-20℃くらいまでは理論上対応できるのではないかと推定した。
外気温‐20℃ならば、厳冬期の中級山岳くらいまではギリギリカバーできる範囲だ。
そもそも厳冬期の3000m級に挑戦する気はさらさらないので、厳冬期の中級山岳程度までカバーできるならば僕にとっては4シーズンの組み合わせといっても過言ではない。
理論値が正しければ、3月の北八ヶ岳くらいならば何ら問題なく快適に熟睡できるはずである。



これにより、アウターにトップキルト、シュラフをナノバック300SPDX (嫁は410SPDX) インナーにモンベルのシルクシーツという3点セットで4シーズンいけるのではないかという目算が立ったのである。
とはいえ、机上の空論に10万近いお金を投資するのに抵抗がなかったかといえば嘘になる。
しかし、現地の状況下で事前にシュラフを試すことなどできない以上、あとは自分が集めた情報と、これらの道具の品質を信頼するしかない。
もし万が一それでも寒いようならダウンウェアを着こんで寝たらいいし、ウォーターバッグで湯たんぽを作るなど、いくらでも防寒対策はできる。
そしてトップキルトとナノバック300SPDXを購入した僕は、先日のの北八ヶ岳スノーキャンプに望んだのだった。

これらのインプレッションに関しては、また気象条件とあわせて後日ブログでアップする予定である。


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by misawa_re7 | 2010-04-03 22:21 | 道 具 | Comments(3)
Commented by bphiro at 2010-04-03 23:05
こんばんわm(__)m
こちらには初めて伺いました!
これから、パートナーのゆっきーさんと沢山楽しい入山して下さいね(^^ゞ
これから、ちょこちょこ遊びに寄せてもらいます。

最初から読ませてもらいました!
ICレコーダーの利用は良い案ですね(^_-)-☆
僕も仕事で使ってるので今度使ってみます<(_ _)>

僕は寒がりなんで厳冬期のシュラフはダウン1000g+カバーで床には銀マット+リッジレスト+ダウンマットです。
この正月の八ヶ岳(-25℃)でも快適でした!
昔は化繊シュラフを使ってたんですがね・・・・・(^^ゞ
今は仕事の都合もあり昔のように長期で入山出来ないので行けても3泊。
この程度ならダウンシュラフでも十分大丈夫です!
土屋さんとこのキルトは良さげですね。僕も一時期購入を考えましたが、僕の山スタイルには必要無いと判断して止めました(^_-)

スカイハイの550も使ってますが、ミサワさんが言うようにセンタージップが顎に当りあまり快適では無いですね・・・・・(+_+)

まあ、今日はこの辺で失礼します。
インプレ楽しみにしてますね!

PS
僕のblogにリンク貼らせてもらっていいですか!?
Commented by misawa_re7 at 2010-04-04 21:00
こんばんわ!来て頂いてどうもありがとうございます(*´∀`*)

拙いブログで申し訳ないですが、読んでいただいてありがとうございました。

ICレコーダーはものすごく便利なんですが、風にはものすごく弱いです…
スピーカーを布みたいなもので覆ったら多少マシになりますかねぇ。
またちょっと検証してみます。

銀マット+リッジレスト+ダウンマットの組み合わせは凶悪ですねww
うちは銀マット+リッジレストDX+インフレータブルマットなので、R値に換算すると僕の方は半分以下ですね…
化繊は気を使わなくていいし、汚れたら簡単に洗濯できるし便利ですよねぇ(・∀・)
僕も長期入山は無理ですし、やはり化繊はデカくて重いですから、一度ダウンシュラフ使っちゃうと…無理ですねσ(´∀`;)
というか僕が化繊使ってたのは、学生時代にダウンみたいな高級品買うことができなかったからなんですけどねww

そう、センタージップは体温調整がしやすくて重宝するんですけど、それだけが難点なんですよね。
夏季のシュラフならあれほど便利なもんはないと思いますけど、冬季用シュラフならやっぱりサイドジップの方が便利かな?って思います。
Commented by misawa_re7 at 2010-04-04 21:01
文字数が多くて途中で切られたので続きを…w

寝具に関しては、書くことばっかりでちっとも本題に入れないのですが、気長にお待ちくださいw
またいつでも遊びに来てくださいね(ノ∀`*)

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