【山行記録】 15年ぶりの因縁の地 木曽御嶽山の回顧録
今を遡ること、約15年前…中学2年生だった僕らは、ここ御嶽山に登った。
当時を振り返り、嫁は言う。『辛かった、登山が嫌いになった…』 と
100人単位の学校登山では、人のペースで登ることを余儀なくされ、しかも苦労して登った頂は濃いガスに覆われていたのだ。
良い記憶が残らなくても無理はあるまい…。
そんな負の記憶を払拭するため、3度目にして3000m級に挑戦した夫婦登山三回目の山行記録。
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木曽御嶽山 (きそおんたけさん) 【標高3067m】

木曽御嶽山は日本第14位の高峰。
未だに活動を続ける活火山であり、日本最高所の湖である二の池や、同じく日本最高所の滝も有す、水量が非常に豊富な山である。
主峰、剣ヶ峰を筆頭に、継母岳、継子岳、摩利支天山の4峰から成る独立峰である。(北アルプスに属するという説もある)
古くから山岳信仰の山としても知られ、山麓や登山道に石仏があり、御嶽登拝が行われている。
夏には高山植物、秋には紅葉と、自然の豊富な山である。

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2009年9月6日 天候:晴れ
田の原ルート往復(田の原~金剛童子~九合目石室非難小屋~王滝頂上山荘~剣ヶ峰~地獄谷周遊~二の池~奥の院)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




かつて中学生時代に一度登ったことのある木曽御嶽山。嫁にとっては大変しんどかったトラウマ的な山である。
言わば嫁が登山というものを嫌いになってしまった元凶とも言える山なのだ。
最近登山に興味を持ち、自分で山を調べるようになり、かつての記憶を頼りに当時登ったルートを探り当てることが出来た。
そして山岳地図のコースタイムや、地形図を見比べているうちにふと思ったのだ。

『この山、そんなにしんどいか…??』

剣ヶ峰まで、多く見積もっても4時間はかかるまい。
剣ヶ峰を経由して地獄谷、一の池を周遊し、二の池まで下ったとしてもさほど時間がかかるわけではなさそうだ。
かつて中学時代は一泊を要した山行だったが、調べるうちどうやら日帰りでも余裕な感じを受ける…。
無論当時よりは体力は衰えているだろうが、装備、経験、知識は当時の比ではないだろうし、何より2人だけの少人数登山というメリットがそれを補って余りあるだろうと判断した。
当時の苦い記憶を払拭し、山の楽しさ、美しさを再認識させるために、今回の山行を計画したのである。




【AM1:00】
起床。
我が家から御嶽山麓の田の原口まではおよそ2時間半と読んだ。逆算して起床時間を1:00に設定。
前夜はPM7:00くらいに寝たが、慣れない時間の睡眠ということもあり、何度も目が覚めてしまった。
寝起きはあまりよくなかったが、パンとバナナをパクつきつつ、AM2:00に自宅を出発した。




【AM4:30】
田の原登山口駐車場到着。
山岳信仰の山ということもあり、道中石仏や石碑が数多く点在しており、深夜に通過するには少々気味が悪かった。
田の原に到着するまではほとんど車とも出会わず、登山口も全然人がいないのではないかと心配したが、実際駐車場に到着するとかなりの数の車が停まっており、中には大型の観光バスの姿もあった。
深夜1:00くらいにここを出発して、山頂で日の出を見る人も結構いるようだ。
もう既に何人も登っているのだろう、登山道と思しき場所にヘッドランプの光がいくつも見えた。
ある程度高所順応させるため、ここで30分ほど待機してから出発することにする。


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朝焼けの雲海が美しい。(撮影地点1にて撮影)
いかにまだ9月とはいえ、田の原の標高は約2200m。なかなか寒い。
防寒着として上からレインウェアを羽織ってみるものの、それでは逆に暑かったのですぐに脱ぐ羽目に。
出発時は暗かったのでヘッドランプを用意するも、瞬く間に明るくなってきたのでこれまたすぐにしまう羽目に…。
朝一番から空振り準備が非常に多く、出発時間を10分近くオーバーしてしまった。


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【AM5:10】
田の原登山口より出発(撮影地点1にて撮影)


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歩き始めは砂利道だが、途中から整備された木の階段になる。(撮影地点2にて撮影)
この階段が非常に曲者で、ものすごく間隔が悪い。
一般人の歩幅だと、ちょうど同じ足で登り続ける羽目になるので片側の足に負担がかかり、リズムも悪いしいただけない。


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【AM5:50】
あかっぱげ通過。(撮影地点3にて撮影)
あかっぱげとはその名の通り、赤土が露出した場所である。このあたりでちょうど日の出を拝むことができた。
行く先には大勢の登山グループがおり、軽く渋滞である。
この時点で何人かが先行グループから遅れていたようで、先行するガイドに早く歩けと叱責されていた。
他人事とはいえ、そういう光景は見ていてあまり気持ちのいいものではない…こういうことがあるからグループ山行は苦手である。


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【AM6:05】
金剛童子到着。(撮影地点4にて撮影)


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雲海より顔を出した中央アルプスが逆行に映えて美しい。
この日は僕も嫁もすこぶる体調が良かった。
登りも非常にリズムが良く、疲れが全然ない。眺めが美しいという点も寄与しているかもしれない。


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途中に富士見石という場所があった。(撮影地点5にて撮影)
残念ながらここから富士山を望むことは出来なかった。もっと晴れていれば見えただろうか??


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【AM6:50】
九合目石室非難小屋到着。(撮影地点6にて撮影)
ここから王滝頂上山荘がかなり近くに見える。

ここまでの登りで嫁が肩が痛いと訴え始めた。
おそらくザックの問題だと思うが、そもそも軽装登山用のデイパックがパンパンになるくらい装備やら食料やらを詰め込んでいるのだ。
登山用のアタックザックとは違い、構造上重量配分が悪いので後ろに引っ張られるのだろう。
そもそも急遽間に合わせで買った嫁のザックは登山用を考慮していなかった。
近いうちにちゃんとした登山用のザックを調達せねばなるまい。


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9合目の右側斜面は大ノゾキと呼ばれる崩落地である。(撮影地点6にて撮影)
結構な斜面で、落ちれば危険。一応立ち入らないようロープが張られている。
ここから王滝、剣ヶ峰へ向けてガスが発生しやすい模様。
この日もここを通過する辺りからガスが発生し、山頂付近へ立ち昇り始めていた。


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【AM7:45】
王滝山頂山荘到着(撮影地点7にて撮影)
ここまでくれば、もはや剣ヶ峰は目と鼻の先である。
相変わらず嫁は肩の痛みを訴えていたが、それ以外は特にこれといったトラブルもなく順調な山行と言えた。
軽く休憩を取り、剣ヶ峰への最後の上りに入る。


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王滝頂上山荘より剣ヶ峰を望む。(撮影地点7にて撮影)


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大ノゾキから、ここ八丁ダルミにかけて、急激にガスが昇り始めてきた。(撮影地点7にて撮影)
あまりここから剣ヶ峰までに手間取ると、発生したガスで中央アルプス方面の展望が利かなくなってしまいそうである。
少し足早に剣ヶ峰へ急ぐことにする。
ここから地獄谷方面に噴火口があるようで、王滝を過ぎた辺りからだいぶ硫黄臭い。


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剣ヶ峰直下、最後の登りは石段である。
この長い石段を登りきれば、木曽御嶽山が主峰、剣ヶ峰だ。


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【AM8:25】
剣ヶ峰山頂到着。(撮影地点8にて撮影)
かつて中学生のときに踏んだ剣ヶ峰の山頂は、ガスに覆われ全く展望がなかった。
そして今回、早朝ほどの展望はなくなってしまったが、しかし15年前のそれとは比較にならないほど美しい景色だ。
何より、自分で調べ、自分で登って来たという達成感が、ただ連れて来られた中学の時とは全く異なる。

それは嫁にとっても同じことだったようで、自らの意思で初めて登った3000m級の山ということで非常に感慨深かったようだ。
以後、彼女にとって、この木曽御嶽山という山は特別な山として深く記憶に刻まれることになる。


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剣ヶ峰より二の池を望む。(撮影地点8にて撮影)
ご覧のように、北アルプス方面はやや雲が沸いてきてしまったものの、乗鞍、穂高までを一望することが出来た。
中央アルプス方面は、懸念どおり大ノゾキからのガスが立ち上り、ほとんど展望が利かなくなってしまった。
まぁ、上り途中で雲海に浮かぶ美しい中央アルプスを展望することができたのだから良しとしよう。

山頂で休憩中、九州から登りに来ているというおじさんと話し込んだ。
僕らが住む長野県は、山に関しては非常にアクセスのいい場所にある。九州から来た人からすれば、羨ましい限りなのだろう。
僕らは恵まれていると思う。


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40分ほど休憩した後、剣ヶ峰を後にし、地獄谷、一の池周遊のお鉢巡りコースへと進む。(撮影地点9にて撮影)
中学の時は、正直剣ヶ峰からどのコースを通って二の池まで下りたか覚えてはいないが、それほど時間がかかった記憶もないので、多分このお鉢巡りコースは初めて歩く事になる。


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地図を見る限りでは簡単な岩場のようで、岩場が得意でない嫁のトレーニングも兼ねる。(撮影地点10にて撮影)
それほどの危険箇所もなく、何箇所か切れ断った場所があったものの、万が一滑落しても問題ない程度の落差である。
とはいえ、やはり岩場が苦手な嫁はだいぶペースダウン。
無理に急いで怪我をしてもつまらないので、嫁のペースに合わせ、ゆっくり周遊することにする。

途中継母岳が美しく見えた。
個人的には好きな山様なのだが、登山道が廃道となっており、道が不明瞭のようだ。
行けなくはないようだが、途中ガスが発生したりすると危険を伴うので、もう少しスキルが上がったら上ってみたいと思っている。


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二の池への最後の下りは若干ザレていて滑りやすい。(撮影地点11手前にて撮影)


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【AM10:05】
二の池湖畔、二の池本館に到着。(撮影地点11にて撮影)
二の池小屋は中学時代に宿泊した思い出の山小屋である。もちろん山小屋泊まりというのは人生初だった。
当時喘息を持っていた僕は、山小屋の埃っぽさに気管支をやられ、咳が出て寝れなくなってしまった。
基本的に男子は2階の個室に振り分けられ、女子は1階の大広間に全員寝ていたのだが、僕は特例として1階の大広間の隅に寝かせてもらった事を記憶している。

二の池は昔も今も変わらない。強いて言えば万年雪が15年前より若干小さくなったか??
残念ながらこの時期はもう既に山小屋は閉じており、山小屋の中は見ることが出来なかった。


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今回の昼食は、具おにぎり(明太子、そぼろ)麻婆春雨、生ハムチーズバジルソース、お茶、梨、レモネード。
調理メニューは、山岳部時代からの定番メニューの麻婆春雨。水だけで作れるので便利である。
前回からの改善の生ハムチーズは、バジルソースをかけてみたが、今回使用したバジルソースはちょっと塩辛かった。
レモネードはレモンが多すぎて、はちみつを大量に消費してしまった。改善の余地あり。
相変わらず梨は美味である。
今回はメニューが多すぎて、食後の行動に支障をきたしてしまった…食べすぎも考え物である。

食後、休憩をしているとガスが発生し始めた。
この時日差しが強く、暑いくらいだったので(食事中に身体が冷えるかと思ってフリースを着たが、暑くて脱いだ)気温的にはちょうど良かったが、この後立ち寄る予定の奥の院地獄谷展望台の展望が気がかりだった。




【PM0:20】
王滝頂上山荘到着。剣ヶ峰経由で王滝頂上山荘へ下った。
剣ヶ峰から八丁ダルミにかけて、かなりガスが沸いており、視界が悪かった。
正直展望は期待できなそうだったが、奥の院まで行ってみることにした。


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王滝頂上山荘から、奥の院へ至る道。(撮影地点7にて撮影)
ガスで視界が悪い。
この分ではやはり地獄谷の展望は期待できそうにない。
しかしここまで来てしまった以上、引き返すのはタイムロスである。このまま奥の院方面へ歩くことにした。


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【PM0:40】
結局ガスが晴れることはなく、仕方ないので奥の院手前の分岐から下山ルートをとることにした。(撮影地点12にて撮影)
写真は日の門と呼ばれる岩の造形物だ。
登山道から若干外れた場所にあり、最初は気付かなかった…。




【PM1:05】
九合目石室非難小屋到着。
下りでだいぶ膝を酷使、膝がガクガクと笑ってきた。
体力的には全然楽だったのだが、どうやら膝はそうでもなかったようだ。
適度に休憩を取りながら、ゆっくり下ることにする。




【PM1:53】
八合目石室非難小屋到着。
ガスは晴れる気配がない。
この分では展望の回復も望めないので、カメラをザックにしまう。




【PM2:40】
田の原登山口到着。下山。


夫婦で登山を始めて初の3000m級となったが、天候も悪くなく良い山行だった。
15年前、嫁にトラウマを植え付けた因縁の山だったわけだが、終わってみれば予想以上に楽な山行だった。
それもそのはず、標高が高いことを除けば、歩行距離も累計標高差も、前回登った恵那山のほうが上だったのだから。
おかげで嫁のトラウマも解消されたようで、今回の山行を区切りとして、嫁の山に対する価値観が徐々に良い方へ変わってきたようだ。

しかしこの木曽御嶽山という山、3000m級としては初級クラスに属するものと思う。
田の原ルートが特にそうなのかもしれないが、累計標高差的にも、歩行距離的にも、小中学生にも無理がない山だと思う。
実際今回小学生くらいの子供や、空荷で登っている登山者も見受けられた。
登頂が容易な割りに、展望も抜群であり、初級者の高山入門にはうってつけの山だと思う。

しかし、今回は日帰りだった関係で、二の池周遊までしかできなかったが
御嶽山にはまだ北に摩利支天や継子岳、三の池、四の池、五の池が存在する。
この時僕は、山小屋に一泊して、それら全てを二日で巡るルートを模索し始めていた。


いわば御嶽山制覇である。(登山道のない継母岳を除く)


それを実現すべく、僕は計画を着々と進めていた。
そして近い将来、再びここ御嶽山を訪れる事になるのだが、それはまた別のお話(。・_・。)


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by misawa_re7 | 2009-09-06 21:10 | 山行記録 2009


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