【山行記録】 北八ヶ岳初級コース縦走 初日 前編 (渋の湯~黒百合平~高見石)
北八ヶ岳入門コースの集大成として立案した今回の縦走計画。
初日の天気は当初雪との予報に気を落としていたのだが、前日になって一転、突如晴れに転じた。
突然の好天の予報に最高の山行を予感し、心躍らせる僕らであったが…
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先日のブログでアップしたとおり、3月21日~22日にかけて北八ヶ岳入門コース縦走計画を予定通り実行した。
初日のコースは以下の通り。

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2010年3月21日 渋の湯~黒百合平~中山峠~にゅう~中山~高見石小屋(幕営地)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の実線は今回実際に歩行したコース、点線は当初予定していたコース。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。(冒頭の写真は1にて撮影)




【AM3:00】
起床。
かねてからの予報どおり、昨晩から朝にかけて天候は最悪。
非常に強い風を伴う雷雨で、家の中にいても外の天候が相当荒れているのはよくわかる。
しかし直前の天気予報で、諏訪、蓼科地域は6時まで雨が降るものの、それ以降は夜までずっと晴れマークへと変貌していた。
ウェザーニュースの山岳予報でも、『天狗岳』 『縞枯山』 共に晴れの予報になっていたのである。
当初昼過ぎまで雨か雪との予報だったことを考えると、まさに天恵であった。

前日にパッキングを済ませてあったため、特に急ぐことも無くゆっくり朝食を摂る。
今回の装備は基本的には前回とほとんど変わっていない。唯一変わったのは水関係である。
初日は前回の2日分の標高差を1日で登るので、前回水が全く足りなくなってしまった教訓を踏まえた上で、ハイドレーションにて水を多めに持参し、逆に前回持って行ったサーモスボトル3本を1本にすることにした。
登坂が主に加え、好天ともなればお湯よりもむしろ冷水が必要との判断である。それに伴い今回の重量は

僕 23kg  嫁 14kg

飲料水、食用水含めて3kgもの重量増となった。
前回僕は一滴も水を持参していなかったため、今回はその分まともに増えた計算になる。
さすがに前回よりも厳しい行程を3kg増で踏破するのはいささか難儀に思えた…。
そこで、僕が所持している荷物の中で最も必要の無いと思われるカメラの三脚を装備から外そうと考えた。
カメラの三脚と侮ること無かれ、僕の使用している三脚は2kg近くあるため、単純にそいつを置いていくだけで相殺とはいかないまでも、
なんとか1kg増に抑えることはできそうだった。

でも僕は星が撮りたかったのだ。
天候に回復に兆しがあり、月も明け方近くまでは顔を出さない。夜も晴れるとの予報だったのだから尚更チャンスだと思ったのだ。
星を撮影するためには三脚は必須、撮りたいのならカメラと三脚だけは装備から外すわけにはいかない。
最後まで悩みに悩んだ。そして悩んだ末…

僕は三脚を持参することにした。

結論から言うとこの僕の決断は裏目に出る羽目になるのだが…




【AM4:40】
大雨の中車に荷物を積むのに難儀しつつ、自宅を出発。一路茅野駅に向う。
道中雷雨に巻き込まれたり小雨になったりと不安定な天候。しかし諏訪方面へ向かうに従って徐々に天候は回復の兆しが見えてきた。




【AM6:40】
茅野駅コインパーキングに車を停め、路線バスにて茅野駅を出発。
蓼科に向かうにつれ、雨脚は弱くなってきたものの、空全体に薄い雲がかかっており、晴れ間は見えない。
とてもこれから好天に向かう空には見えないが…
この時点で僕は晴れという天気予報に疑念を持ち始めていた。


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【AM7:40】
渋の湯到着。(撮影地点1にて撮影)
ちらほら登山者の姿も見える。
渋の湯の軒先を借りて身支度を整えたのだが、登山者の荷造りご遠慮くださいという張り紙に後から気付いた…。
この場をお借りして、ごめんなさい。


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【AM8:00】
渋の湯を出発。2パーティーほど先行していった。(撮影地点1にて撮影)


順風満帆の山行を期待せずにはおれないが、しかし山の雲行きを見るに一抹の不安が…
そんな僕の気持ちを察してかどうかは定かではないが、歩き出して5分としないうちにいきなりトラブルが発生した。

登山道が全面凍結しているのである。

冬山装備である以上大した問題ではないのだが、僕らの場合は少々状況が違っている。
なぜなら僕らはスノーシューハイクのつもりで来ているのだ。つまり登り始めから終わりまで常にスノーシューを履きっぱなしのつもりだった。
そんな僕らからしてみれば、ピッケル、アイゼンは装備の範疇に入っていない。
僕らの過去の北八ヶ岳の山行は全て蓼科ピラタスロープウェイから入山していたため、入山すればすぐに雪があるという固定観念に囚われ、低所では積雪が無い場所や凍結箇所もあるという、ごくごく当たり前の常識を見落としていたのだ。

スノーシューならば多少は爪を利かせられるかもしれないが、岩が露出した登山道ではスノーシューは使えない。
仕方なく滑らないよう慎重にツボ足で登ることにする。そして登り始めてすぐ嫁が滑って転ぶというお決まりのパターンであるw




【AM8:30】
最初の分岐点にて休憩。
ここで念のため現在地を確認するために地図とコンパスを取り出した。
そしてそこで愕然とする羽目になる。

コンパスのN極があさっての方向を向いているのだ(;´Д`)

僕は一瞬、盛大に道を間違えてしまったのかと思った。しかしどう考えてもおかしいのは道ではなくコンパスである。
何だコレと思いつつも、動かしてみたり叩いてみたり色々と試してみる。
そして試す度、わけのわからん方角を示しやがる。しかも毎回違ってる。



ふざけんのも大概にしとけよ!(゚Д゚;)



僕が腹を立てるのは至極当然である。何故ならば、前回の山行でコンパスが壊れ、先日買い換えたばかりなのだから。
前回壊れたやつは、対応温度外の山域に持ち込んだ僕の馬鹿が招いた結果であるから文句は言うまい。
しかし今回は買って一度も使っていない状態でコレである。
命を預ける道具なのに、これではあまりにお粗末過ぎるぞ…帰ったら絶対に文句言ってやる。

腹は立ったが、まともに動かないものはしょうがない、僕はコンパスが壊れたまま山行を続行した。
しかし、前回の山行でコンパスが壊れるということがどういう事態を招くのか、僕はわかっていたはずなのだ…。
それでもこの時の僕はこの事態をさほど重要視していなかった。
しかし、まさかこれが命に関わる事態に発展するなどと、この時点で誰が想像できただろう。


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徐々に高度が上がるにつれ雪がついてくる。(撮影地点2にて撮影)
しかしスノーシューを履くには至らない。ツボ足のまま登坂を続行する。


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【AM9:15】
稜線上に出る。(撮影地点3にて撮影)
稜線に出ると風がかなり強くなり、上りでかいた汗が冷え、一気に体温を下げていく。




【AM9:38】
唐沢鉱泉からの出会いに到着。
ここで休憩を取るも、非常に風通しが良い場所で、しかも盛大に雪解け水が沸いて出て来ているため、正直休憩場所には不向き。
一度ザックを下ろすも、すぐに出発する羽目になる。

いい加減ザックにくくりつけてきたスノーシューが重くなってきた。
そもそも最初から履いて登る予定が、急遽持って歩く事になってしまったため、ザックに無理やりくくりつけただけである。
荷が後ろに引っ張られ、重量以上に重く感じてかなわんのでここからスノーシューを装着して歩く事に。


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【AM10:35】
黒百合ヒュッテ到着。(撮影地点4にて撮影)
途中風がどんどん強くなってきた。
樹林帯を歩いてきたので直接身体に当たる風はさほどではないが、上空では相当強風が吹いているのであろう、風がうなっている。
雲行きは怪しく、厚い雲が空を覆い始めていた。
黒百合ヒュッテで一度休憩してから、中山峠~ニュウへ向かうことにする。


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黒百合ヒュッテで濡れたソフトシェルのインナーと、手袋のインナーを乾かしつつ、ラーメンと山菜うどんを頂く。
冷えた身体に暖かい食べ物は非常に染み渡る…。
ここではついつい1時間近くのんびりしてしまったσ(´∀`;)

出発準備に取り掛かるも、だいぶ風が強くなって来ていた。
受付でピンバッチを購入しつつ
『だいぶ風が強くなってきましたけど、今日僕らがこれから辿るコース上で危険な箇所はどこかありますか?』
と、念のためコースについて小屋の主に尋ねてみた。
すると、『大丈夫、危険な場所はありませんよ』 とのこと。
僕が懸念していた、中山峠~ニュウへの道(ここは地図上では右斜面が切り断っている)もそれほど危険はないようで安心した。
しかし、主はふと思い出したように…


『中山の山頂には一応気をつけて』

と言った。
中山の山頂??僕はこれと言って特に難しい箇所には思えなかったのだが、主は続けて。


『山頂過ぎると直角に曲がる場所がある、でも時々それを見落として真っ直ぐ進んでしまう人がいるから』

と、教えてくれた。
へぇ~、なるほど、と地図に目をやる。
確かに中山の山頂を過ぎたあたり、特に何の目印も無いこの地点から、登山道は急に直角に曲がっている。
直角に曲がってしばらく行くと樹林帯に入るから、そこが登山道だよと主は親切に教えてくれた。






『直角に曲がって樹林帯へ』


この時何気なく聞いたその言葉が、僕の中に鮮明にインプットされていた。
本当に何気なく聞いただけのその質問だったのだが、もしこの時この言葉を聞いていなかったとしたら、
もしかしたら今回の山行の顛末にはまた違った結末が用意されていたかもしれない。
そうとも知らず、僕らは主にお礼を言い、中山峠へ向けて歩を進めた。


上空では唸りを上げて風が荒れ狂い、空は不吉さをはらんだ厚い雲で覆われていた…。


後編に続く…


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by misawa_re7 | 2010-03-23 00:23 | 山行記録 2010


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