【山行記録】 夫婦初登山 風越山の回顧録
2009年8月23日。
登山を始めようと思い立ち、それならば最初に登る山はここしかないだろうと、地元の山に決めた。
そんな僕ら夫婦の記念すべき一回目の登山の山行記録。
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風越山 (ふうえつざん・かざこしやま) 【標高1535m】

風越山は別名を権現山ともいい、地元の童話や校歌にも出てくる、飯田市民にとっては非常に馴染みの深い山である。
古くは室町時代に建てられた社や鳥居といった歴史ある建物も多く、時の領主も馬で登り、参拝したとも言われている信仰登山としての側面も持つ。中央アルプス前衛山。
麓には「猿庫ノ泉」や「今庫ノ泉」といった名水も有する。
風越山の前衛に位置する虚空蔵山は低山ながら眺めは風越山よりも良く、登頂も容易なことから虚空蔵山への登頂を目的とした家族連れやハイカーなども意外と多い。

ちなみに上の写真に写っているのは風越山ではなく虚空蔵山。麓からは虚空蔵山の陰になって風越山は直接見ることが出来ないのだ。

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2009年8月23日 天候:晴れのち雨
往復(滝ノ沢白山社登山口~石灯籠~秋葉権現~虚空蔵山~矢立木~白山社奥宮~風越山山頂)

・ 高低差、距離、コース概要は上記の通り。
・ 地図上の赤線は往復路。青線の部分のみ復路に歩行した箇所。
・ 地図上の通し番号は、これからブログに添付する画像の撮影したポイント。




「来年富士山登ろうぜ」

僕の友人のその一言をきっかけに、夫婦で登山を始めたのは自己紹介のブログで述べたとおり。
当初は登山に対しては難色を示していた嫁を説得し、夫婦で山を登る記念すべき初の山として僕が選んだのは、地元の代表的な山である風越山だ。
当山は小学生の頃の遠足。中学生の頃の御岳登山への準備登山。高校山岳部の頃の歓迎登山と、過去に何度も登ったことのある、僕にとってはいわば庭のような山である。
地元の山故、自宅からでも徒歩で行けるアクセスのよさに加え、慣れ親しんだ登山道は地図もコンパスも必要としないほどにそのルートは僕の頭の中に刻みつけられており、錆付いた勘を取り戻す足慣らしにはもってこいの山だ。

山の装備は全く何もない状態から揃えなければならなかったため、今回は必要最低限の物しか用意できなかった。
予算の関係でレインウェアは用意できなかったし…
元山岳部なので、雨具の重要性は痛いほどわかっているのだが、いかんせん予算がないので仕方が無い。
この時期の低山ならば仮に雨に打たれたとしてもなんとかなるだろうと、泣く泣く購入は見送った。
また時期を見て、できるだけ早いうちに調達したいと思う。


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【AM7:30】
滝ノ沢 白山社登山口。(撮影地点1にて撮影)
慣れ親しんだ登山口である…。
何を隠そう中学の時、部活で散々石灯籠まで走らされたので、ここは嫌というほど通っている。

今日は雲が点々としているが、良い天気でよかった。
逆に、日が昇るに従い、だんだん気温が上昇してきて僕にとっては暑すぎるくらいだ…。
それではゆっくり歩き始めるとする。


こうしてザックを背負って山道を歩くのは、実に何年ぶりだろうか?
高校を卒業してから一度も登ってないはずだから、ざっと計算しても軽く10年近く山と縁の無い生活を送ってきたことになる。
嫁に至っては、中学2年の時に御岳登山をして以来登っていないのだから、それ以上だろう。
久しぶりの山の空気はある種感動モノである。
この清清しい空気を吸い、鳥のさえずりを聞きながら森の中を歩く感覚…こんな感動久しく忘れていた。

まぁそう思っていたのは多分僕だけだったろうけどw

嫁はそれどころではない感じであるw
そもそも普段から運動不足、近年まともに運動という運動をしていないのだからそれも無理はない。
早々と足の付け根に痛みを感じているようだ。
できるだけ無理はさせないように、ペースを落としながら歩いていくことにする。


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道中見つけた、どこの山にも大抵あるお決まりのこれである(撮影地点2にて撮影)
僕らはブログのタイトルの通り、無類のクマ好き夫婦ではあるが、リアルクマは遠慮したい。


山へ行こうよ リアルクマと一緒に!なんてやってたら命がいくつあっても足りぬ。


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【AM7:58】
石灯籠到着。(撮影地点3にて撮影)
ここは山麓公園ゴルフ場脇の登山口からの登山道との分岐になっている場所である。(写真奥)
そちらは途中まで簡易舗装の道が続き、途切れた場所からは樹林帯の中の急登となる。


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この日は伐採作業員と思われる方々と一緒になった。
どうやら登山道の整備をしているようだ。


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石灯籠を抜けると急に傾斜が増す。(撮影地点4にて撮影)
石灯籠~秋葉権現の分岐までは比較的急登だが、道自体は整備が行き届いていて決して歩きづらい道ではない。
気温は上昇の傾向だったが、木々の間を抜ける風が心地よくてさほど辛くは無かった。


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【AM8:31】
秋葉大権現(秋葉様)到着。(撮影地点5にて撮影)
ここから虚空蔵山頂までは近いこともあり、立ち休憩で水分補給のみとした。
秋葉様は延命水ルートと、虚空蔵山直登ルートとの分岐になっている。
秋葉様に向かって左の道が延命水ルート。こちらは傾斜が緩やかだが、虚空蔵山のピークを過ぎて、虚空蔵山の裏手に出てしまう。
対して右は虚空蔵山直登ルートで、虚空蔵山のピークを経由して風越山に向かうルートになる。
一般的には上りに虚空蔵山ルート、下りに延命水ルートをとるケースが多い。

例に漏れず、僕らも虚空蔵山ルートを上りに選択した。


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虚空蔵山直下にて(撮影地点6にて撮影)
自然と全く調和していない掘っ立て小屋には少々興ざめであるが…
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【AM8:50】
虚空蔵山山頂到着。(撮影地点6にて撮影)
少々木が邪魔をしているが、虚空蔵山からの展望は、風越山山頂のそれよりも良い。
故に、ここを目的地とし、風邪越山山頂までは行かずに下山していく人も決して少なくは無い。
虚空蔵山のピークは、展望が利く広場から少し奥まった場所にある。


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虚空蔵山を過ぎるとしばらく緩い稜線になる。(撮影地点6通過後に撮影)
虚空蔵山を過ぎてすぐに延命水の分岐と思しき看板が現れるのだが、そこを下ると延命水の真上に出る急傾斜の道になる。
もう少し先まで歩いていくと本来の分岐があるので、ここから延命水を経由して下山する場合はそちらを行ったほうがよい。
延命水の分岐を過ぎた辺りから、また再び急登になる。


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ちなみにここ風越山は県内有数のベニマンサクの自生地である。
ベニマンサクとは長野県の天然記念物に指定されている植物で、高さ5m前後の落葉低木だ。
紅満作の名前の由来は、秋の紅葉の時期に、紅色の花を咲かせることに由来している。
しかし最近は風越山のベニマンサクは減ってきているようで、むしろもう少し奥の山域の南木曽岳あたりに多く自生していると聞いたことがある。
環境の変化で植生も変わってきてしまっているのだろうか…??


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【AM9:48】
矢立木到着。(撮影地点8にて撮影)
虚空蔵過ぎてからの上りで、嫁がややペースを崩し、だいぶ息が上がってきた。
普段の運動不足がたたっている。

ちなみにここ矢立木とは、風越山から飯田市街地を挟んで対面にある山、神ノ峰より弓の名手が放った矢がここまで届いたとの伝承に由来され、このように矢のオブジェが作りつけられている。
余談だが、ここにはトリカブトが自生している。


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奥宮手前の赤い鳥居にて。(撮影地点9にて撮影)
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一枚岩を削って出来た階段(撮影地点9過ぎにて撮影)
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【AM10:25】
白山社奥宮到着(撮影地点10にて撮影)

風越山には白山社奥宮を始めとして、鳥居や、石仏、岩をくりぬいた階段や岩に削られた書などなど…見所が多い山だ。
どれも皆、歴史を感じさせる歴史的遺産だ。
白山社奥宮へは山門をくぐり、石段を登ると到着する。

この頃からやや雲が出始め、日が陰ってしまった。
山頂付近になりやや風も強くなり、汗をかいたシャツが冷えて、少し肌寒い…。
今回は8月の低山ということで、ほとんど防寒には気を使わなかったのだが、正直フリースくらいは持ってきてもよかったかもしれない。


白山社奥宮を抜けると、あとは風越山への最後の上りになるが…
ここが本コースで唯一の危険箇所になっている。
手を使わないと登れない傾斜には、木の根が張り巡らされており、申し訳程度に黄黒のロープが設置されている。
滑落して命に関わるほどの高度は無いが、雨や夜露で木の根が濡れると滑りやすくなるので注意したい。


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【AM10:51】
風越山山頂到着。(撮影地点11にて撮影)
何度も前述したとおり、山頂からの展望は無い。
以前来た時は(といっても10年近く前のことになるが)もう少し藪が深かったように記憶しているが…整備されているのだろうか?
ここで昼食を…とも思ったが、蚊が多くとても快適に食事を摂れるとは思えず、とりあえず引き返すことにした。


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【AM11:30】
白山社奥宮を通過し、矢立木のやや上の辺りに位置する展望台にて昼食とした。
ここの眺めは木の関係で見える範囲が限られはするものの、虚空蔵かそれ以上の展望である。

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今回の昼食はインスタント中心。チャルメラとサバ缶、いわし缶だ。

嫁と二人で昼食を摂っていると、中年の女性に同席を求められた。
広さには余裕がある場所だったので、快く承諾し、山について話をした。
話をする中でわかったことだが、なんとこの方、奇遇にも僕の高校のOBの方であった。
しかも山岳部に所属していたというから驚きだ( ゚Д゚)

つまり僕の大先輩である!

まさに奇遇と言うほか無い。


そうこうしているうちに昼食も終わり、下山することになった。
昼食を食べ終わったあたりから急激に雲行きが怪しくなり、どうやら雨でも降ってきそうな空になってきた。
雨具を持っていないとはいえ、ここからなら2時間もあれば下山できる。
しかし出来るだけ濡れたくなかったので、足早に帰路に着いた。




【PM0:43】
延命水の分岐に到着。
このあたりから雨がパラつき始めたので、ややペースを速めて下山することにする。




【PM1:40】
多少雨には濡れたものの、これといったトラブルもなく無事下山することができた。

夫婦揃っての初めての山行ということで、無理のない山、無理のないスケジュールを組んだが、最後に雨に降られた際、帰宅を急いでややペースを上げてしまったのだけが唯一のミスだったように思う。
慣れない山の下りで、嫁の足にだいぶ負担がかかってしまったからだ。以後気をつけたい。




今回の山行を通しての感想は、風越山は正直展望もよくなく、印象の薄い山頂ではあるが、嫁は思いのほか達成感があったようだ。
それもそのはず、登山は自分の足で苦労しながら登り、その経過を持って結果を報いるものだと僕は思っている。
楽して登った山頂にいかに美しい景色が待っていようとも、たとえ展望が無くとも、自らの足で苦労して登った山の達成感には及ぶまい。
もちろん、苦労して登った山の山頂に、美しい景色が広がっているに越したことはないがww

この達成感があり、山から見渡す美しい景色があるから登山はやめられないのだ。
近いうちに必ず、この二つの条件を満たす山へ嫁を連れて行こうと思っている。
そうすればきっと、もっと山を好きになってくれるはずだから(。・_・。)


こうして僕ら夫婦の初めての登山は無事幕を閉じたのだった。


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by misawa_re7 | 2009-08-23 12:12 | 山行記録 2009


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